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1994-09-26 平成6年第3回定例会(第3日目) 本文

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  1. 鹿児島県議会 1994-09-26
    1994-09-26 平成6年第3回定例会(第3日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時三十分開議    △ 開  議 ◯議長(鶴田辰巳君)ただいまから、本日の会議を開きます。       ───────────── 2 ◯議長(鶴田辰巳君)本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━   議 事 日 程  一 開  議  一 議案第六九号撤回の件  一 代 表 質 問    二牟礼 正 博 君  一 一般質問    黒 田 清 信 君    松 村 武 久 君  一 散  会       ━━━━━━━━━━━━━    △ 議案第六九号撤回の件 3 ◯議長(鶴田辰巳君)ここで、土屋知事から発言を求められておりますので、これを許可いたします。
       〔知事土屋佳照君登壇〕 4 ◯知事(土屋佳照君)まず初めに、県民の皆様におわびを申し上げます。  既に御承知のとおり、県職員が収賄容疑で逮捕されました。職員の綱紀の保持につきましては、知事就任と同時に県政三つの指針を示し、その中で親切で清潔な行政の執行を提唱し、機会あるととに注意を喚起してまいったところでございますが、県民全体の奉仕者であるべき県職員が、県民の疑惑を招く事態を引き起こしましたことは、まことに残念であり遺憾であります。ここに深くおわびを申し上げます。  直ちに全職員に対し、改めて綱紀の粛正の徹底と職務の執行に当たって、常に厳正公平、いやしくも県民の疑惑を招くことのないように強く指示いたしたところであり、全力を挙げて県民の信頼回復に努めてまいりたいと考えております。  なお、これに関連して今議会に提案しております議案のうち、議案第六九号契約の締結について議決を求める件につきましては、県議会会議規則第十九条の規定により、この議案の撤回請求書を議長あて提出いたしましたので、よろしくお願い申し上げます。 5 ◯議長(鶴田辰巳君)まず、議案第六九号撤回の件を議題といたします。  お諮りいたします。  議案第六九号撤回の件は、承認することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 6 ◯議長(鶴田辰巳君)御異議なしと認めます。  よって、議案第六九号撤回の件は、承認することに決定いたしました。  ここで、休憩いたします。  再開は、ブザーでお知らせいたします。         午前十時三十五分休憩       ─────────────         午後二時三十四分開議 7 ◯議長(鶴田辰巳君)再開いたします。       ─────────────    △ 緊急質問 8 ◯議長(鶴田辰巳君)平山亮一君、二牟礼正博君、松村武久君、黒田清信君から、緊急質問の通告がありました。  お諮りいたします。  緊急質問に同意の上、この際日程に追加し、発言を許可することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 9 ◯議長(鶴田辰巳君)御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。  まず、平山亮一君に発言を許可いたします。    〔平山亮一君登壇〕 10 ◯平山亮一君 港湾贈収賄事件について、自由民主党県議団を代表して、緊急に質問をいたします。  今回の事件に関し、県職員が収賄容疑で逮捕され、送検されたことを聞いて、本当に驚いているところであります。県職員が収賄容疑で逮捕された不祥事は、昭和五十四年の大島郡における港湾工事に絡んだ汚職事件以来十五年ぶりということであります。昨年の災害から一年を経過、ことしは豪雨や台風の被害も少なくありがたいことであったと、二十二日の代表質問で申し上げたばかりでありました。雨や風の襲来は自然現象としてやむを得ないことでありますが、今回の事件はまことに遺憾なことであります。  そこでお尋ねする第一点は、今回の事件は現在捜査中でありますが、報道されるような容疑をかけられること自体あってはならないことであると思いますので、今回の事件を知事はどのように受けとめておられるのか、お伺いをいたします。  第二点は、今回の容疑の内容についてであります。  報道によると、容疑者が鹿児島港湾事務所の工務課長のときに本港区北埠頭の工事入札に便宜を図るとともに、港湾課の技術補佐として現在取りまとめ中の、平成八年度からの第九次港湾整備五カ年計画の現地調査などに便宜を図ったことが挙げられておりますが、これらの容疑内容について説明をしていただきたいのであります。  第三点は、今回の事件に関する処分についてであります。  県では、早速贈賄事件に関連した建設業者を指名停止処分にすることを決められたようでありますが、今回の事件に関する処分の考え方を明らかにしていただきたいのであります。また、そのうちの町田建設が共同企業体の一員として参加している一般国道五十八号の和瀬二号トンネル工事に関する契約議案第六九号が先ほど撤回をされたことから、撤回の経緯と今後の本件についての取り扱いの考え方をお示し願いたいのであります。  第四点は、今後の再発防止についてであります。  県の工事入札について談合疑惑などがあったことから、入札手続等改善検討委員会を設置していろいろ検討され、改善策が始められたところでありますが、不正入札を取り締まる県の幹部職員に不正容疑があるようでは、何のための改善策かと言いたいのであります。  一方、建設業者としても、県職員に謝礼を贈るようなことは許されることではありません。そこで、今後の再発防止について、県職員及び建設業者の両者に対するお考えをお聞かせ願いたいのであります。    〔知事土屋佳照君登壇〕 11 ◯知事(土屋佳照君)県職員の服務規律の確保につきましては、知事就任と同時に、全職員に対しまして県政三つの指針を示しまして、その中で、親切で清潔な行政の執行を提唱し、機会あるごとに私としても注意を喚起してまいったところでございますが、今回、職員が逮捕されるという事態が生じたことにつきましては、本当にあってはならないことでございまして、まことに残念であり、県民に対しまことに申しわけないと思っております。このような事態を受け、昨日は緊急幹部会議を招集して、職員の綱紀の厳正確保などを決定し、本日早朝から各部主管課長会議を開催いたしますとともに、綱紀の粛正について、私自身の名で通達を発し、改めて綱紀の粛正を命じ、全職員に十分な自覚を促すよう強く指示したところでございます。  今後とも職務の執行に当たりましては、関係法令の遵守はもとより、常に厳正公平を旨として、いやしくも県民の疑惑を招くことのないよう、より一層服務規律の厳正確保に努め、県民の信頼を回復するよう全力を挙げてまいりたいと思っております。今後このような不祥事件を未然に防止するため、厳正な公務員倫理の徹底を図ることはもとよりでございますが、直ちに庁内に改善検討委員会を設け、今回の事件の原因、背景、問題点を調査究明し、その中で不正防止チェック体制の再点検、不正防止マニュアルなど具体的な再発防止策を講じてまいりたいと存じます。  なお、業界に対しましても、このような不祥事が二度と起こらないよう責任者を呼んで指導しますとともに、末端まで徹底するよう文書により指導を行いたいと思っております。 12 ◯警察本部長(中川雅量君)御質問の贈収賄事件につきましては、九月二十三日に、収賄容疑で土木部港湾課丸田純雄技術補佐を、贈賄容疑で思川建設の木原一郎代表取締役、それから町田建設の町田実孝代表取締役をそれぞれ逮捕したわけであります。  その容疑事実は、一つが、平成四年六月に執行された鹿児島港埠頭工事入札に関し、贈賄業者である思川建設に有利な取り計らいが行われたこと。一つが、今後実施される第九次港湾整備五カ年計画に関し、贈賄業者である町田建設に有利な取り計らいが行われていたこと等に対する謝礼として、仕立て券つき背広生地各一着を供与したというものでありますが、この具体的な便宜供与の内容につきましては現在捜査中でありますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。 13 ◯土木部長(奥田 朗君)事件に関連した建設業者の処分の考え方でございますが、県工事等に関して、贈賄の容疑により法人の役員等が逮捕された場合は、指名停止できることが県指名停止要領に規定されておりますので、これに基づき指名停止を行ったものでございます。指名停止期間は、平成六年九月二十五日から控訴を提起しない不起訴または控訴を提起するいわゆる起訴処分が行われたことを知った日までとしたところでございます。ただし、控訴を提起された場合は、引き続き指名停止することとし、その指名停止期間につきましては、当該控訴の提起があったことを知った時点で検討することとしております。  次に、今後の和瀬二号トンネルエ事の取り扱いでございますが、国道五十八号和瀬トンネル工事につきましては、本年七月に策定いたしました公募型指名競争入札施行実施要領に基づき、本県最初の公募型指名競争入札として九月七日に入札を実施し、同九日に仮契約を締結していたところでございます。しかし、今回の贈収賄容疑事件で、本工事に係る特定建設工事共同企業体の構成員であります株式会社町田建設の社長が逮捕されまして、株式会社町田建設から九月二十五日、知事に対し、本工事の仮契約の辞退と共同企業体から脱退する届けが提出されました。また同日、特定建設工事共同企業体の代表者であります小牧建設株式会社から共同企業体の解散届が提出されました。このため、本工事の契約の相手方が消滅したことになりまして、本工事の契約締結にかかわる議案は撤回することとしたわけでございます。  なお、本工事につきましては、今後改めて公募型指名競争入札を実施し、次の議会へ契約議案を提出させていただくという目標で進めてまいりたいと存じます。    〔平山亮一君登壇〕 14 ◯平山亮一君 御答弁をいただきましたが、今回の事件は現在捜査中でありますが、このような容疑をかけられたこと自体あってはならないことではないでしょうか。プラスイメージは長年の努力の積み上げが必要ですが、マイナスイメージというのは一瞬にして今までのイメージを壊してしまうものであります。土屋県政も二期目を迎え、総合基本計画も第二期実施計画を鋭意推進中でありまして、イメージアップ推進事業の順調な進展を喜んでおりましたが、知事の考えが全職員に徹底をしていなかったことはまことに残念なことでありました。  知事も先ほどお答えになりましたけれども、就任の最初に、県政の三つの指針を示されました。「対話と実行の県政、親切で清潔な行政、明るくすこやかな職場」とは何であったのか、改めて考えさせられるのであります。私どもは、かねて県職員の皆さんの働きぶりには敬服しておりましたが、その中で一人でも不心得者があっては困るのであります。今回の事件を県職員の全員が心から反省し、二度と再びこのようなことのないようにすることが、今回の事件に対する県民への回答であるように思いますので、重ねて強くこのことを要請いたしまして、自由民主党県議団を代表しての緊急質問を終わります。 15 ◯議長(鶴田辰巳君)次は、二牟礼正博君に発言を許可いたします。    〔二牟礼正博君登壇〕 16 ◯二牟礼正博君 昭和五十四年以来十五年ぶりに県職員が収賄容疑で逮捕された今回の公共事業をめぐる贈収賄事件は、県民に大きな衝撃を与え、県民の県政への信頼を著しく失墜させました。その一つの舞台が、新しい都市づくりを目指す県総合基本計画戦略プロジェクトの一つであるウォーターフロント開発をめぐるものだけに、これからの県勢発展に一大汚点を残すことになり、まことに残念であり、極めて遺憾と言わざるを得ません。  今回の事件は、公共事業という談合や汚職など、巨額のプロジェクトをめぐる業者と公務員との癒着の構図を一象徴したものとなっています。ゼネコン汚職の摘発以来、国、地方を問わず、入札制度の改善や政治倫理の確立が緊急の課題として取り組まれている矢先だけに、知事は徹底的な真相の究明と責任の所在を明確にし、再発防止に向けた具体的措置に全力で取り組まれ、県政への信頼を一日も早く取り戻さなければなりません。以下、質問いたします。  第一は、今回の汚職事件は十五年ぶりであります。先ほど知事は、綱紀の粛正について機会あるごとに注意を喚起したと釈明されましたが、今回のような事件発生となりました。綱紀粛正の実効はあったのか、これまでどのように取り組んでこられたのか伺います。  第二点は、知事は事件直後のコメントで、事実関係がはっきりした時点で厳正な対応をしたいと述べておられますが、報道によると、警察本部は五カ月間の内偵を続けていたと言われます。知事はいつの時点で事件を把握されたのか、現在どのように事実関係を把握されているのか。また、知事は、今回の事件の責任について、どのように処置されるつもりか明らかにしてください。  第四点は、事件の再発防止のために、より一層の職員の服務規律の厳正さが求められますが、先ほど改善検討委員会の設置と業者末端への指導の徹底を図ると答弁をされましたが、人事や入札制度の改善を含めた綱紀粛正が必要と思われます。その方向性についてお尋ねいたします。  第五点は、町田建設が受注者となっていた和瀬トンネル工事の契約議案第六九号については、撤回のその理由と今後の契約のあり方について伺いましたので、これは今後厳正な入札制度のもとに、再びこのような事態が発生をしないように要望いたしておきます。  第六点は、今後の事件の容疑事実についてであります。  思川建設については、鹿児島本港区の北埠頭工事の入札に便宜を図った件と報道されておりますし、今、答弁もございました。しかし、町田建設については、第九次港湾整備五カ年計画の現地調査への便宜などとの答弁であります。また、けさの地元紙によりますと、瀬戸内町の古仁屋マリンタウンプロジェクト構想と名瀬市知名瀬港改修工事にアドバイスした件などが挙げられていますが、容疑事実のうち特にこの町田建設にかかわる構想の段階で便宜を図ったとは極めてあいまいさがありますので、その容疑事実について明確にしていただきたい。  第七点は、今後この事件の容疑となった公共事業以外、あるいは他のものへの事件拡大の可能性があるのかについても、県警本部長にお伺いをいたします。    〔知事土屋佳照君登壇〕 17 ◯知事(土屋佳照君)県といたしましては、前回の不祥事件を踏まえまして、厳正な公務員倫理の徹底に努めますとともに、相互牽制制度の確立、人事交流の促進など不正防止に努めてまいりました。私としても知事就任と同時に、全職員に対して示しました県政三つの指針の中で、親切で清潔な行政の執行を提唱し、仕事始めとか仕事納め、年度初めの訓示、部課長級の研修会訓話、さらには新規採用職員に対する訓示などにおきまして、この点については特に趣旨の徹底に努めますとともに、機会あるごとに綱紀粛正や服務についての通達を発し、注意を喚起してまいりました。しかし、現実に起こってしまったわけでございまして、極めて残念でございます。なお、今回の事態を受けて、緊急幹部会議を招集して、職員の綱紀の厳正確保などを決定し、本日早朝から各部主管課長会議を開催いたしますとともに、綱紀の粛正について私自身の名で通達を発し、改めて綱紀の粛正を命じ、全職員に十分な自覚を促すよう強く指示した次第でございます。  事実関係については、残念ながら、私は二十三日の夜、二十三時過ぎに初めてこの話を聞きました。現在当局の取り調べを受けておる段階で、報道されている以上のことは承知をいたしておりません。今申し上げましたように、現在当局の取り調べ中でございまして、事実関係がはっきりしておりませんので、それが明確になった時点で、処分の対象者及び内容を含め厳正な対応をしてまいりたいと思っております。  今後このような不祥事件を未然に防止するために、厳正な公務員倫理の徹底を図ることはもとよりでございますけれども、直ちに庁内に改善検討委員会を設け、今回の事件の原因なり背景なり、問題点を徹底的に調査究明をいたしまして、その中で不正防止チェック体制の再点検、不正防止マニュアルなど具体的な再発防止対策を講じてまいりたいと存じます。業界に対しましても、こういった不祥事が二度と起こらないよう責任者を呼んで指導いたしますとともに、末端まで徹底するよう文書によって指導を行いたいと思っております。 18 ◯警察本部長(中川雅量君)御質問の贈収賄事件につきましては、先ほど申し上げたとおりでありますが、いま一度繰り返しますと、その容疑事実につきましては、今後実施される第九次港湾整備五カ年計画に関しまして、贈賄業者である町田建設に有利な取り計らいを行ってほしいということ等、等でありますが、「等」に対する謝礼として、仕立て券つき背広生地一着を供与したということであります。これ以上の具体的な便宜供与につきましては、まさに捜査中でありますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。  また、今後事件が拡大するか否か、その見通しということについてのお尋ねでありますけれども、これにつきましても現在捜査中であるということでありますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。 19 ◯二牟礼正博君 自席から警察本部長に一点だけお伺いしたいと思いますが、容疑事実の中で、けさほどの南日本新聞に、先ほど私が申し上げました瀬戸内町の古仁屋マリンタウンプロジェクト構想と名瀬市知名瀬港の改修工事が舞台になっていることがわかったというふうに記述されていますが、今の説明にあります第九次の港湾計画構想等という部分の、いわゆる「など」という部分に該当するというふうに理解をすればいいのかという点が一点。  それと、もう一点は、そうした将来の構想にかかわる部分も、いわゆるこの便宜供与の範疇に入ると理解をすればよいのか、二点についてお伺いいたします。 20 ◯警察本部長(中川雅量君)先ほど新聞の記事云々という話でありますけれども、これが「等」に含まれるのかどうかということでありますけれども、具体的な事案についてはちょっと答弁を差し控えさせていただきますが、全体的には含まれるというふうに考えてもらって結構だと思います。  なお、将来の便宜云々というのは、重要な犯罪事実の要素になり得るものであります。    〔二牟礼正博君登壇〕 21 ◯二牟礼正博君 一つの汚職事件によって、公正に取り組んでいる業者や公務員、そして県政全体への信頼を一遍に突き崩してしまう結果となります。今後さらに徹底して事件の背景と真相を明らかにされるとともに、再発防止に向けて綱紀を正し、職員としての規律と品性を高める努力や入札制度の改善、そして業者自身も公正な営業活動によって公共掌業に参画をするという企業倫理の確立など、具体的な取り組みに全力を挙げていただき、県政への信頼を一日も早く取り戻されるよう強く要請して質問を終わります。 22 ◯議長(鶴田辰巳君)次は、松村武久君に発言を許可いたします。    〔松村武久君登壇〕 23 ◯松村武久君 一昨日のテレビ、新聞で、「収賄容疑で県職員逮捕」の報道に接し、私は全く驚いているところであり、県民に大きなショックを与えたことと思っております。  奥田土木部長は、指名や入札制度に問題はないかとの報道関係者の質問に対し、制度ではなく個人の倫理観の問題、職員の倫理徹底に努めるとコメントをされた旨、昨日の地元紙で報道されておりますが、個人の倫理観に大きな原因がありましょうが、事由の一つは、指名や入札制度にも問題はあるとも思えるのであります。と同時に、業者側の倫理観の欠如にも大きく起因しているものと思います。そこで、指名や入札制度のあり方については、今後の再発防止の一つとして、副知事をキャップとして構成されている県入札手続等改善検討委員会で十分御検討いただくこととし、若干今までの御質問と重複しますが、次の二点に絞って土木部長にお伺いいたします。  一点は、業者に対する倫理観の指導は今日までどのようになされ、今後どのような方策をもって業者への倫理観の指導の徹底を図られるか、詳しくお聞かせをいただきたい。  二点目は、業者に対する指名停止の今回の処分の妥当性についてでありますが、このことは対象業者はもとより業界全体にとっても重く受けとめられ、再発防止の徹底に資するものと判断できるか否か、以上二点でございます。 24 ◯土木部長(奥田 朗君)このような事件につきましては、業界自体がみずから企業倫理の確立に努めますとともに、社会に及ぼす影響の大きさを十分認識し、県民の信頼を得られるように努力することも必要であると考えております。このため、直ちに業界に対して二度とのこのような不祥事が起こらないように責任者を呼んで指導いたしますとともに、業界の末端まで徹底いたしますように、文書で指導を行うこととしてまいりたいと存じております。  それから、県発注工事に関する贈賄容疑の業者に対する指名停止期間につきましては、平成六年の九月二十五日から控訴を提訴しない不起訴または控訴を提起する起訴処分が行われたことを知った日までとしておるわけでありますが、控訴を提起された場合は、当該控訴の提起があったことを知った時点で検討することとしていることから、妥当な措置であると考えております。なお、本県の指名停止要件は、国、九州各県と比較いたしましても厳しい要件となっておりまして、当事者でございます業者はもとより、業界全体といたしましても厳粛に受けとめられ、不正行為の再発防止につながるものと考えております。    〔松村武久君登壇〕 25 ◯松村武久君 私は、今回の容疑が今後他の部署に波及しないことを祈念しつつ入札制度、指名のあり方、公平公正な発注のあり方を模索し、悪質業者が淘汰され倫理観の高い業者がはぐくまれるよう、切に切に要望して緊急質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 26 ◯議長(鶴田辰巳君)次は、黒田清信君に発言を許可いたします。    〔黒田清信君登壇〕 27 ◯黒田清信君 今回発覚をいたしました港湾贈収賄事件について、緊急質問をいたします。  今回報道された港湾汚職事件に関し、本来、県民全体の奉仕者であるべき県職員が収賄容疑で逮捕、送検されましたことは、まこに残念であり、憤りを禁じ得ません。  早速質問に入りますが、まず第一に、事件の事実関係等について、さらには県職員と業者のモラル向上策、あわせて再発防止策等については、質問がありましたので割愛をいたしますが、今回の事件への知事の見解を改めてお示しをいただくとともに、知事自身を含め、管理監督の地位にある職員の責任のとり方について明らかにしていただきたいのであります。  次に、丸田容疑者は、平成四年六月二十三日に執行された鹿児島本港区北埠頭の荷さばき地の舗装工事の入札の際、当時の鹿児島港湾事務所長らとともに指名委員会の委員であったと報道されておりますが、当時の指名委員会の構成を明らかにされるとともに、今後入札の公正公平な執行のための対応策をお示しいただきたいのであります。  次に、警察本部長に予定をいたしておりました県職員と二業者の容疑事実、あるいは第九次港湾整備五カ年計画についての質問については、お答えがございましたので割愛をいたします。  次に、土木部技術職員の人数が少なく、業者との癒着の温床になっているのではないかとも報道されておりますが、土木部技術職員の人事異動のあり方と、その善後策について見解を承りたいと思います。  最後に、ウォーターフロント開発は、土屋知事の手になる県総合基本計画の中でも中核部分をなすとともに、県民の期待の大きい極めて重要な壮大なプロジェクトであります。そのメーンフィールドである鹿児島本港区のウォーターフロント工事が舞台となった港湾汚職事件であるだけに、ウォーターフロント開発はもちろんのこと、今後の港湾行政執行上支障はないのか懸念をいたすものでありますが、いかがでありましょうか、お答えをいただきたいと思います。    〔知事土屋佳照君登壇〕 28 ◯知事(土屋佳照君)最も起こってはならない事件が起こったわけでこざいまして、極めて残念に思い、県民におわびを申し上げたいと、けさ冒頭にお話を申し上げたとおりでございます。  今後どうするかという点につきましては、現在当局の取り調べ中でございまして、事実関係がはっきりしておりませんので、それが明確になった段階で、処分の対象者、内容を含めまして厳正な対応をしていきたいと、私は思っております。  また、具体的な再発防止につきましてもいろいろな方法で対応するし、また業界に対しましても徹底させたいとお答えをしておるわけでございますけれども、さらに人事制度の面からも不正防止の徹底を図るために、土木部の技術職員につきましても、道路、河川等、他の業種との交流を積極的に進め、原則的には三年で異動させるなど、人事の硬直化を招くことのないよう努めているところでございますが、さらに改善の余地はないか、十分検討してまいりたいと思っております。 29 ◯土木部長(奥田 朗君)港湾事務所の指名委員会の構成と今後の対応でございますけれども、鹿児島港湾事務所の指名委員会につきましては、平成五年度までの指名委員会の構成は、所長、次長、工務課長の三名であったが、平成六年度からは係長制の導入に伴い、所長、次長、港湾課長、総務係長、港湾係長の五名で行っております。今後の対応につきましては、再発防止のためのチェック体制につきまして早急に検討してまいりたいと存じます。    〔黒田清信君登壇〕 30 ◯黒田清信君 知事は、事実関係が明らかになった時点で、みずからの監督責任も含めて責任者の処分を検討したいと表明をされました。厳正な対応をお願いをいたしておきたいと思います。  不正入札を監督指導する立場にある幹部職員が、このような不正事件を引き起こすとは、全く言語道断であります。県はイメージアップ推進事業の展開中でありますが、イメージチェンジをし、イメージアップを図ることは至難のわざであります。まさに建設は殊闘、破壊は一瞬であります。お答えにもありましたとおり、これを機に県職員の一層の綱紀粛正に努められ、県民の信頼回復に誠心誠意取り組んでいかれるよう強く要請するものであります。
     折しも入札談合疑惑が大きな社会問題になっているときでもあり、業者のモラル向上のため、業者の指導にも厳正に対処されるよう、あわせて要請をいたしておきたいと思います。  最後に、今回の事件を機に、県職員が他人事あるいは対岸の火事ととらえるのではなく、一人一人が他山の石として、改めて深く反省し、今後我が身を厳しく律し、二度と再びこのような不祥事が発生しないよう、そして文字どおり親切で清潔な行政執行が図られますよう、重ねて強く要請をいたしまして、私の緊急質問を終わります。 31 ◯議長(鶴田辰巳君)これで緊急質問は終わりました。       ─────────────    △ 総括質疑(代表) 32 ◯議長(鶴田辰巳君)次に、代表質問であります。  二牟礼正博君に発言を許可いたします。    〔二牟礼正博君登壇〕(拍手) 33 ◯二牟礼正博君 戦後五十年、社会党結党五十年の節目を前に、我が党は、憲法を政治と暮らしの中に生かすという揺らぐことのない社会党の理念と闘いの原点を踏まえ、平和と公正、民主主義の発展のために、より現実に即した基本政策の転換を決定し、政権を担うことによってこれを実現していく責任と使命をみずからに課し、新たな決意に立って挑戦を始めています。  私は、日本じゅうを襲った戦後最高の猛暑も過ぎ、税制改革をめぐる熱い論戦が起ころうとしている政治情勢の中での九月県議会に当たり、日本社会党県議団を代表して質問を行いますので、知事並びに執行部の明快な誠意ある答弁をお願いします。  冷戦の終結によって、イデオロギーの対立が世界を支配する時代が終わり、平和と安定のための新たな秩序が模索されている中にあって、我が国においても、戦後政治を特色づけてきた自・社対立の時代から、党派を超えて現実に即した政策論争を通じて、国民の多様な意見が反映される新しい政治を創造する時代を迎えています。私どもが驚きと戸惑いを持って発足した村山連立政権もはや三カ月、各種の世論調査を見ると、支持率が高まってきていますが、村山首相の人柄への評価から政策や実績を評価される内閣へと、我々もこれを支えていくことが重要な課題となっています。  河野外相は、あすの国連総会の演説で、憲法に禁じられている武力行使は行わないことを条件に常任理事国入りの意思を明確にし、積極的に国際貢献を果たしていく考えを表明します。不戦平和を掲げる崇高な日本国憲法の理念を、国際社会に発信する歴史的な意味を持つだけに、冷戦後の新しい秩序をリードするものになることを期待するものであります。  戦後五十周年を前に、村山首相は、韓国、東南アジア訪問を踏まえて、過去の戦争についておわびと反省の気持ちを改めて表明し、平和友好交流計画を発表しました。日本の歴代首相は、アジア訪問のたびに謝罪の意を表明してきました。それは言葉だけが踊り、具体策は伴わず、一部の閣僚の歴史認識に欠ける発言が繰り返され、国民全体の反省の意思があいまいにされてきたからであります。謝罪の旅は村山首相で終わりになるよう、戦後五十年できちんとしたけじめをつけ、未来思考のアジア外交へ転じるべきときだと思いますが、知事の村山政権の評価と戦後五十年を前にした歴史観を伺います。  本九月県議会の終了後には、来年度予算の編成作業に着手されることになります。さきに発表された国の概算要求総額は七十六兆五千七百十億円規模になっていますが、二百兆円に及ぶ国債発行残高や国際公約ともなっている六兆円規模の減税、重ねて不況による七兆円程度の歳入欠陥が子想される中で、これまで以上に厳しい財政運営を迫られています。  本県においても、平成六年度の県債残高は七千二百五十一億円を超える見込みで、五年度末の公債費比率は一三・七%と危険水域に差しかかっております。このように、国の財政逼迫によって交付税への抑制が強まり、起債依存の財政硬直化の傾向が進むことになると、今後、総合基本計画の大型プロジェクトや災害に強い県土づくりを最優先課題とする財政支出を進める上で、従前の予算編成のあり方に大きな見直しが必要と思われますが、県総合基本計画第二期実施計画の二年次の予算編成に影響はないかについて、予算編成に臨む知事の方針を伺います。  甲突川の改修について、私どもは二度とあのような大災害が起こらないための方策と文化財としての石橋の保存を図る点から、洪水発生の原因、河川改修の経過、流域開発と総合治水対策、石橋現地保存の方法と可能性など、あらゆる面にわたって審議に臨み、県民から提案される課題や疑問に対しても真剣に論議を重ねてきました。そして、再度災害の防止のためには、激特事業の導入による河川改修と、石橋は移設して文化財の価値を保存すべきとの決断をいたしました。その論議の中で出された内容と判断は、我々議会人も県当局も後世の批判に耐え得る責任あるものでなければなりません。  先日の地元紙に、甲突川激特事業の根拠になった「流出率と流量は過大に算定している」との木村俊晃氏の論文が掲載され、これに対して、二十二日の代表質問に、県の考えは間違いない旨の答弁をされましたが、この問題は激特事業の根幹にかかわるだけに、この際明確にしていただきたい次の点について、知事の責任ある答弁を求めます。  第一点は、木村氏は、火山質のシラス地域が大部分を占める甲突川では、計画対象降雨の二百ミリ程度で飽和することは全く考えられず、洪水規模の大小にかかわらず流出率はほぼ一定値を維持すると主張されていますが、県の激特計画では、流出率は〇・二から〇・六と段階的に変化するとしています。この段階的流出率を採用することに問題はないのか、また建設省でも確認された方法との答弁でありますが、採用した根拠はどこにあるか伺います。  第二点は、木村氏は、県の流出率の半分程度の〇・一三から〇・二を用いて、八・六洪水のピーク流量は毎秒五百五十トンと推計し、県の毎秒七百トンは過大推定であると批判されていますが、半分の流出率ならば三百五十トン程度とならないのか、このことについてどのように考えられるのか説明をしてください。  第三点は、八月十七日の地元紙で、建設省土木研究所水文研究室が、県の段階的流出論を否定したとの記事に関連して、水文研究室は、発言内容と異なっており驚いていると答弁されましたが、県の重要な政策決定の根拠にかかわる問題について事実と異なる報道がなされることは、県民の間に行政への信頼を損なわせ疑惑を招く結果になるだけに、事実に基づく報道が求められます。今回の報道についての知事の見解を伺います。  今議会に、鹿児島市内の河川流域対策として、流出抑制効果の期待できる運動公園や校庭を活用し、雨水貯留施設等の設置に取り組まれることは、遅きに失した感はありますが評価するものであり、今後ともこうした総合治水対策の積極的な推進をお願いしておきます。  そこで、二点お尋ねします。  第一点は、今回モデル的に実施される流域出水抑制事業による効果は、わずか三万トンに過ぎません。今後とも、甲突川上流へは治水ダムの建設や流域への遊水池の整備、また稲荷川の放水路や新川上流の田上ダムの建設などが計画されており、早期完成が望まれますが、これらの進捗と今後の事業見通しについて伺います。  第二点は、流域対策としての総合治水対策事業の推進のためには、河川改修技術はもとより、公園や都市計画、道路やトンネル、治山など、多面的、総合的な技術の連携とそのためのスタッフが必要となります。そこで、鹿児島県においては、取り組みがおくれたといわれる都市河川の総合治水対策を積極的に推進するために、総合治水対策なるものを設置し、専門職員を配置して、職員もじっくり腰を据えて機動的に事業が遂行できる体制を整えるべきだと思います。今、そのような積極的な姿勢が知事に問われているのではないでしょうか、見解をお聞かせください。  長期大型不況が反映して、自治省がまとめた六月末現在の都道府県税収入は、地財計画の十三兆七千三百三十七億円に比べ数千億円の減収が見込まれ、都道府県税収の調定額は、法人事業税一二・三%減、法人住民税七・八%減などが主因で、前年度比三・四%減の六兆二千三百九十七億円と、その一方、市町村税は固定資産税七・三%増など、地財計画の計上額十八兆八千四百七十二億円がほぼ確保される見通しとなっております。本県においては、昨年の豪雨災害における二千億円に近い災害対策等の多額の財政出動によって、平成五年度総額が一兆円の大台に乗るなど、災害復興景気とも言えるものが本県経済に好影響を与えていることも否めません。この九月補正段階で、前年度末予算総額の八八%強の計上となっておりますが、不況による影響を受ける業種が比較的少なく、不況に強いと言われる本県の財政構造と公共投資のもたらす効果をどのように見ておられるのか、県税収入の主な税目の現況解析と今後の見通しもあわせてお答えください。  平成五年度に着工した県庁舎建設は、順調に進行しているものと理解しておりますが、現時点でのそれぞれの進捗率はどの程度になっているのか。完成目標としている平成八年十月に向けて、予定どおりであると考えているのかお答えいただきたい。  次に建設費でありますが、当初予定していた四百億円を大幅に上回る六百五十七億円程度までふくれ上がっていますが、今後、この数字が大きく動くことはないのか。また巷間、建設費が大幅に変動した理由について、当該地域の地盤が軟弱で、基礎工事に多額の費用が必要となったのではないかとの指摘がありますが、どのような見解をお持ちか伺います。  次に、県庁舎建設に当たって、これまで事故は発生していないかどうかについて御報告いただくと同時に、安全確保のための手だてについてもお知らせください。  新しい入札制度改善のスタートとして行われた北駐車場建設の入札に当たって、事前に談合情報が流れたことは極めて遺憾なことであります。本来、県しか知らない共同企業体名がなぜ第三者に漏れたのか。これらの情報をもとに、県がとった措置の経過と公募型の効果が疑問視される中で、今後の工事に当たっての再発防止策について説明してください。また、今後発注を予定している県庁舎建設の主な工事の種類と発注時期を明らかにしていただきたいと思います。  この際、県庁舎跡地問題についても伺います。これまで、県議会においてもたびたび議論を重ねてきましたが、その都度知事は、まず庁内で検討した上で各界、各層の意見を聞き、タイミングを失しないように決定したいと答えてこられました。知事は先般の記者会見で、ことしいっばいに整理して、新年度になったら方向を示したい。外部の意見も入れ、委員会でもつくって整理をしたい。一回は県民全体の声を聞き、できるだけ皆さんの意向を聞いて、来年秋までには最終的な案にしたいと述べておられます。  そこで端的にお聞きしますが、ことしいっぱいに整理し新年度に示す方向なるものは、具体的にはどのようなことになるのか。またその方向は、県民の意見を聞くことによって、いかようにも変更のきくものなのか。知事の言われる方向が、基本的に変更の余地の少ない案であり、県民の声を聞くことが県の考えをオーソライズするためのみ位置づけられるとすれば、それは県民の期待とは逆の方向に進んでいくのではないかとの懸念を持つからであります。明快な答弁をお願いします。  この二十一日から秋の全国交通安全運動が始まりました。県内の最近十年間の交通事故の推移を見ますと、発生件数で二六・三%の増、死傷者は二四・一%の増加を見せており、懸命の交通事故防止対策の実施、県民挙げた交通安全運動の取り組み等にもかかわらず、依然として事故の発生を抑制することにはなっていません。最近の事故の特徴として、高齢者や女性の事故、前方不注意やスピード違反、シートベルトを着用していない者の死亡率が高いことが上げられます。鹿児島県は、九州内でも福岡に次いで交通事故の発生件数が多くなっていますが、本県の事故発生の原因をどのように分析されているのか、また、事故防止のための効果的な対策はないものか、現在の取り組みとあわせてお示しください。  自動車保有者の増大、道路の改良等に伴って、交通事故防止の有効な手段として、交通安全施設の中でも信号機設置の要望が年々強くなってきており、その設置促進が望まれます。毎年どの程度の新設要望があり、それにどれだけこたえられているのか、信号機の系統化、改良等の現状と今後の推進策についても伺います。    〔知事土屋佳照君登壇〕 34 ◯知事(土屋佳照君)さきの対戦が終結いたしまして、来年は五十周年を迎えようとしておりますが、この間に国際社会も国内社会も大きく変わり、国民のニーズや政治への考え方も変化してまいりました。こうした状況を背景に、政界にも再構築の動きが出てまいりましたことは、これは時代の流れであろうと思っております。こうした動きの中で、一党のみでは安定政権を構築し得ない状況のもとでは、政策について一定の合意が得られれば、連立によって政権を構築することは、むしろ当然の流れではなかろうかと私は考えております。細川内閣以来、最近の政権は、その意味ではすべて連立内閣であったわけでございまして、今回の自民、社会、さきがけの連立によります政権も一つの選択であったと思っております。村山政権が発足してから三カ月が経過しようとしておりますが、対外交渉や景気対策、政治改革の仕上げ、税制改革など、もろもろの課題に熱心に取り組んでおられると思っております。今後とも国民の意向を的確に把握し、内外の山積する課題を乗り切って、我が国の繁栄や国民生活の充実のために真剣に取り組んでいただきたいと願っております。また、戦後五十年、まさに半世紀が経過するわけでございますが、この戦争によって数多くのとうとい犠牲があったことを思いますと、今なお、まことに痛ましく残念であったという思いが去らないのでございます。  さきの対戦につきましては、いろいろな見方、考え方、また表現の仕方があろうかとは思いますが、いずれにしても戦争は、多くの面で深い傷跡を残しました。我が国は、この戦争の教訓を深く心に刻んで、再び戦争の惨禍を繰り返すことのないよう、国際社会の一員として世界平和の確立のために、できるだけの努力をしていかなければならないと強く思っております。特に、アジア地域諸国との関係におきましては、この地域が我が国の近隣諸国であり、また世界で最も躍動的な成長が続く地域として、我が国にとりましても極めて重要な関係にありますことから、お互いにアジア地域の一員として、よりよき将来のために一層の信頼関係を構築し、次代を担う若者の交流や経済、文化、スポーツ交流など、各種の交流を通じて相互理解をさらに深めていく努力が必要であると考えております。本県は、日本の中でも南に開かれた県でありますだけに、特にそのことを強く感ずる次第でございます。  次に、来年度の予算編成につきましては、国は構造的な厳しさが続きます中で、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていくという財政運営の基本的な方向に沿って、経常的経費については前年度の一〇%減、投資的経費については五%増とし、投資的経費の中で本格的な高齢化社会の到来する二十一世紀を控え、新たな時代のニーズに的確に対応していくために、総額三千億円の公共投資重点化枠を設けることとしております。県としては、こうした状況も踏まえ、来年度予算編成に臨む方針を検討中でございますが、現在の景気動向から見ると、本県においても県税収入等の急激な伸びは、依然として期待できないのではないかと思っております。このため、地方交付税や国庫支出金等の充実確保はもとより、有利な起債の導入を国に対して強力に働きかけていきたいと思っておりますが、同時に既存の事務事業の見直し等により、経費の節減を図りますとともに事業の重点化に努め、総合基本計画第二期実施計画に掲げる各戦略プロジェクトの推進、公共事業等の社会資本の整備や災害に強い県土づくりのための各種の施策等につきまして、引き続き積極的に取り組んでいきたいと思っております。  次に、流出率の算定手法についてのお尋ねでございますが、どのような経緯であのような報道になったか、私はわかりませんけれども、我々に対して前土木研究所の木村室長が伝えられたことと全く違っておりますので、極めて残念に思っております。社会のさまざまな事象に関する情報を提供し、世論を形成する上で、報道の果たす役割は極めて大きいと認識をしております。まさに新聞は、社会の公器であると私は思っております。それだけに、常に公平、公正な取材を行い、事実に基づく正確な報道がなされることを期待をいたしております。  また、総合治水対策を行うために、現在の組織を再編して総合治水対策室を設置してはどうかという御意見につきましては、御提案の趣旨は十分理解できるのでございますが、そのような形で新たな組織を設置しても、そこですべての関係事業を完結させるというわけにはいかないのではないかとも思われますし、逆に組織の分化を招くおそれもあり、一概に体制強化ということにつながるのかどうか、いろいろ懸念もございまして、なお研究する必要があるのではないかと思っております。ただ総合治水対策は、水害に安全な土地利用の方法や治水施設の総合的な整備など、多くの分野での調整を図る必要があることは御指摘のとおりでありますから、各河川の流域ととに、県や関係市町村からなる協議会等を設置し連携の強化を図りたいと考えており、当面、庁内においては、必要に応じプロジェクトチームをつくるなど、関係部課の連携を図りながら機動的に対応をしてまいりたいと思っております。  次に、県庁舎等の跡地利用につきましては、これまで庁内の県庁舎等跡地対策委員会において、利用に当たっての問題点、周辺地域の将来の方向など基礎的な調査研究を行ってまいっております。現在、これまで出されたいろいろな意見等の分類、整理を進めておりますが、具体的な方向づけをしておるわけではございません。この跡地利用問題につきましては、県民の関心も極めて高いことから、本年度内に県民の皆様の御意見を広くお聞きする機会をつくりたいと考え、その方法を考えているところでございます。その上で、新しい年度に入りましたら、各界各層からなる協議会的なものを設けて、そこで多角的な議論をしていただきながら利用案の集約に努めていきたいと、かように考えております。 35 ◯土木部長(奥田 朗君)甲突川の洪水流量算定につきましての流出率につきまして、元建設省の木村氏が、流量に関係なく一定値を維持されるべきであると主張されている件でございますが、貯留関数法のこの流出法につきまして、建設省土木研究所に紹介いたしましたところによりますと、流出率は雨量だけではなく、地形、地質や土地利用状況などにより異なると言われておりまして、一定の値に維持される場合と段階的に変化させる場合のいずれもあるとの見解でございます。  それでは、県の計画では、この変化させた考え方の根拠でございますけれども、甲突川の場合、流出率は流域面積が百六平方キロメートルと大きく、川田川など十の大きな支川が流入し、地形、地質や土地利用の変化が大きなこと。また、雨が降り続くぼど流出する量が多くなること。さらに、これまでの出水時の流量観測等の実測データをもとにいたしますと、実測流量と計算流量が合致することなどから、段階的に変化させる方式を採用したものでございます。  激特事業計画のため、昨年八月六日の洪水流量を求めるに当たりましては、これまでの実測データから得られました検討結果に基づき流出率を〇・二から〇・六の値を用いまして、洪水流量の毎秒七百トンとしたわけであります。これは、河道を流れた量と市街地にあふれた量の痕跡水位を調査して求めた流量ともほぼ一致いたしましたことから、用いた流出率は妥当な値であると考えております。  一方、木村氏がことしの四月十八日と二十日に降った日雨量、約百ミリ程度の出水時の流量を観測をいたしまして、このときの流出率を〇・一三と算定し、この流量観測結果に基づいて推定した昨年の八月六日の最大流量が毎秒五百五十トン、流出率は〇・二というように発表されておられます。この最大流量毎秒五百五十トンを求めた計算書が公表されておりませんので、木村氏が主張されております流出率〇・二を用いまして、県が激特計画で使用したプロクラムで計算いたしますと、昨年八月六日の洪水流量は、最大毎秒二百六十トンと極めて少ない量に推計されるのでありまして、この値では、甲突川ははんらんしなかったことになりまして、極めて不合理であると思われましたので、木村氏にどのようにして計算されたのかを問い合わせましたが、どういうわけか答えてもらえませんでした。  次に、甲突川の総合治水対策としてのダム、遊水池等につきましては、これまでの長年にわたる調査検討を踏まえまして、現在、都市河川総合治水対策推進事業の中で、流域内にどのような施設整備を行うか検討しております。このうちダムにつきましては、地元の協力が得られれば、平成七年度からダムサイトを選定するための予備調査に入りたいと考えております。また、遊水池につきましては、鹿児島市と郡山町との境の小山田付近が考えられるわけでありますが、広大な用地を必要とするため、用地の確保を含め整備方法の検討を行っております。  稲荷川の放水路につきましては、都市河川改修事業で実施することといたしておりまして、これまでルート等の検討を行ってまいりましたが、計画を策定したことから、現在、計画の説明会開催につきまして地元と協議中でございます。  新川上流の田上ダムにつきましては、平成四年度から治水ダム建設事業といたしましてダム計画策定のための調査を実施しており、現在、シラス地帯であります貯水池の漏水対策でありますとか、のり面保護対策、さらにつけかえ道路などにつきまして調査検討を行っております。これら都市河川のダムや遊水池、放水路の計画につきましては、今後とも鹿児島市や郡山町の協力を得ながら、早い時期に具体的な計画案を地元に説明できるように努めてまいりたいと存じます。 36 ◯総務部長(牧之内隆久君)まず、本県の財政構造と公共投資のもたらす効果についてでございますが、本県財政の歳入構造は、例えば平成四年度の決算を見てみますと、県税収入の割合が全国平均の三五%に対しまして一四%と極めて低うございます。また、景気の変動を受けやすい法人二税の税収全体に占める割合を見てみますと、全国平均の四二%に対しまして本県は三六%となっておりまして、これら両面から、景気の好不況が歳入全体に及ほす影響が比較的小さい構造になっているというふうに言えようかと思います。  一方、本県の県内総生産に占めます公共投資の割合は、全国平均の約二倍となっておりまして、これまでも景気対策の柱といたしまして、公共投資の積極的な拡大に努めてきたところでございますが、昨年度の景気対策及び災害対策によります公共投資の増は、県内景気に相当の効果をもたらしたものと考えております。それらが税収にどういう影響を及ぼしたかということを厳密に算定することは困難でございますが、例えば本年六月末の調定状況を対前年度比で全国と対比をしてみますと、景気動向の先行バロメーターの一つであるといわれております軽油引取税は、全国平均が対前年度比一三九%、これは税率改正がございまして、その分を含んでおりますので高くなっておりますけれども一三九%、これに対しまして本県は一五八%でございます。また、法人二税につきましても、全国平均は対前年度比八八%でございますが、本県は九七%となっているところでございます。  次に、本年度の県税収入の見込み等についてでございますが、当初予算では昨年度の決算見込みの九四・六%の額を計上いたしておりますが、七月末の現在の調定額は、対前年同期比一〇〇・五%でございます。既に、個人県民税と自動車税はほぼ調定を終了いたしておりますが、いずれも予算で見込んだ額よりも大きい額になっております。また、県民税利子割り自動車取得税、軽油引取税も順調に伸びております。税制の約三割を占めます法人二税も、七月までの調定段階におきましては、予算で見込んだ額よりも高い額が出ております。今後、円高の影響等予断を許さない面がございますが、こういう状況から見ますと、県税全体として当初予算の確保は十分可能であると考えておるところでございます。  次に、県庁舎についてでございますが、県庁舎建設工事の進捗率は、平成六年八月末現在でございますが、議会庁舎が一一・九%、行政庁舎が一〇・六%、警察庁舎が一六・七%、全体では約一二%でこざいまして、建築工事だけで見ますと全体で約一九%となっておりまして、いずれも順調に推移をいたしております。完成の時期につきましては、今後、大きな自然災害など不測の事態が生じない限り、当初予定をいたしておりましたとおり、検査を含めまして平成八年十月には竣工できるものと考えております。ただ、外構工事のうちの植栽工事につきましては、木の種類によりまして植栽時期との関係がございますので、一部八年度末までに残るものがあり得るのではないかと考えております。  次に、建設事業費につきましては、実施設計完了時に六百五十七億円というふうに申しておりますが、もう既に主な工事は入札が終了いたしましたので、今後、よっぽど大きな経済変動等が生じない限りは、六百五十七億円を上回ることはないというふうに考えております。  なお、これに関連いたしまして、平成二年九月に四百億円というような数字を申し上げているわけでございますが、これは、先発県の職員一人当たりの面積の平均値によりまして、単純に庁舎の規模を試算をし、それをもとに推計をした数字でございます。その後、基本設計が終了をいたしました時点で、それをもとに五百九十七億円という数字を明らかにしまして、その後さらに、実施設計完了時点で六百五十七億円に増加した。これは昨年の六月県議会で種々申し上げましように、電波吸収材を設置したこと、あるいは発注時までの物価上昇、工事管理委託費等を追加したこと、さらには県民の意見を取り入れて基本設計の内容を一部変更したといった理由によるものでございます。  なお、お話しの基礎工事は、建物全体にとりまして極めて重要でございますが、これに係る経費は約三十億円となっております。建築工事費に占める割合は約八%でこざいまして、他の県有施設と比較しても特に割高とはなっておりません。平地が沖積シラス土で構成されている地盤の多い本県においては、やむを得ないものと考えておるところでございます。  次に、建設工事現場の安全管理につきましては、すべての元請業者が構成員となりまして、安全衛生連絡協議会というものを組織しまして相互の連扮を図り、また、庁舎ごとに定めました統括安全衛生責任者等の指揮のもとに、新規の現場入場者の安全教育、朝礼の中で行います危険予知ミーティング、安全班によります現場パトロール、月一回の安全大会等を行いますほか、大型トラック運転者等には、随時、安全運転の指導を行うなど、施工関係者全員が、災害ゼロをスローガンに安全管理に努めているところでございまして、今日まで事故につきましては、昨年十月に、行政庁舎くい工事のクレーン作業中に指を挟んだ軽傷事件が一件あったほかは聞いておりません。  それから、北駐車場の入札の問題でございますが、これにつきましては、諸手続の法令に基づき厳正に入札事務を進めてまいりましたけれども、一部の報道機関から談合情報が寄せられましたために、入札を延期してすべての共同企業体の代表者及び県建設業協会、県建築協会の責任者から事情聴取を行いました。事情聴取の結果、各共同企業体は、本工事の受注に強い意欲を示しておりまして、特に鹿児島地区以外の企業は、地域外において初めて与えられたチャンスだということで、受注に強い熱意を示しておりました。また、各社とも真剣な見積もりを行いまして、技術者の配置なども落札後に向けた諸準備を進めておりましたし、談合情報につきましては、どこがそのほかに自分たち以外に指名を受けているのかということは、数社ぐらいはわかってもすべてはわからないと。そういう中で談合自体ありえず、うわさも聞いていないということでございました。こういうことから、談合の事実はないと判断をして入札を行いましたが、入札に際しましては、改めて厳しく注意を喚起したところでございます。入札の結果、御案内のように第一回の入札で、情報とは全く異なる共同企業体が落札をし、また、落札金額を中心に、こくわずかの差の入札者が数多くございまして、最低制限価格を下回って失格となったものも三企業あったということで、厳しく競争した跡がうかがわれたところでございます。  今後の県庁舎関連の主なものは、南駐車場の建設工事と外構工事でございます。いずれも平成七年度のできるだけ早い時期に発注したいと考えております。また、その際には、さらに厳正な執行に努めますとともに、業界に対しましては関係法令の遵守など、入札の公正さを疑われることのないよう厳しく指導してまいりたいと考えております。 37 ◯警察本部長(中川雅量君)最近の交通事故は、高齢者の道路横断中による事故や若年層の無謀運転等を中心として、御指摘のとおり増加傾向にあります。これは、道路の過密混合化とともに、高齢化社会の進展に伴う高齢者の社会活動の活発化や、車を利用する若年ドライバーの増加が事故増加の背景となっているところであり、また、事故増加の直接の原因としては、全体的にはスピードの出し過ぎや、交差点や一時停止場所での安全不確認など、基本的な交通ルールやマナーの欠如によるものが多いわけであります。そこで、効果的な対策ということでありますが、やはり交通安全施設の整備、交通安全教育、それから交通指導取り締まり、これらを地道に着実に行っていくことが重要であると考えられ、このため、今後特に若者及び高齢者を重点とした交通安全教育の充実強化、夜間事故防止や安全意識の高揚のための夜行反射材の普及促進、若年者の無謀運転抑止のための交通指導取り締まりの強化、市町村を初め関係機関団体と連携したシートベルトの着用の徹底等の対策を推進し、交通事故の防止に努めてまいりたいと考えております。  次に、交通信号機の新設要望の件でありますが、ここ数年の平均で見ると百七十件前後あり、これに対しまして、おおむね四七、八%を整備していくところであります。また、系統化につきましては、信号機設置密度の高い路線、地城を重点に系統化を進めることとし、鹿児島市内では約五三%の信号機を交通管制センターで、川内市と串木野市の一部の信号機は、交通管制川内サブセンターでそれぞれ集中制御しているほか、主要幹線道路の一部についても、路線系統化し運用しているところであります。  信号機の改良につきましては、交通量、道路改良状況、交通事故の発生状況等の実態にあわせて、その必要性を個々具体的に検討しながら、時差式信号や矢印信号等に改良を進めておるところであります。今後も、信号機の新設改良等につきましては、県民の要望や意見等を十分踏まえながら必要な箇所の整備に努め、交通事故の防止と交通の円滑化を図ってまいりたいと考えております。    〔二牟礼正博君登壇〕 38 ◯二牟礼正博君 激特事業をめぐる木村氏の主張については、二十二日と本日の代表質問に対して県の考えを伺いました。私ども専門家でない者でも、木村氏の主張がその根拠としている前提条件において誤謬があることが理解をされます。それは八月六日の流量観測や洪水痕跡水位からの数値ではなく、平成元年三月の鹿児島土木事務所等の甲突川洪水解析報告書に基づいているものであること。二点目は、木村氏は四月十八、二十日の流量観測によって、流出率を小さく見ておられること。三点目は、既に建設省においても段階的流出率を採用しているのに、一定値を維持しているということでありました。今後、木村氏は、地元紙の論文におきまして、毎秒七百トンの計画の妥当性については、稿を改めて批判をするとされております。今、説明がありましたように、この木村氏の二・〇の流出率で計算をされますと、毎秒二百六十トン程度にしかならないということでありますので、しかしながら、木村氏の主張というのは貯留関数の考案者であるだけに、県民への影響というものが大変大きいものがあります。したがいまして、県としても出された疑問に対しては、具体的でわかりやすく解説して県民の理解を得る必要があると思いますので、新聞等を活用してそうした努力をしていただくようにお願いをいたしておきます。  総合治水対策の設置については、庁内のプロジェクトや協議会での対応をしたいということでありますが、田上ダムが既に調査をされてから二十年以上経過をしているにもかかわらず、今ようやく建設計画の段階にきているといことであります。したがいまして、先ほど申し上げましたように、県としても総合治水対策に積極的に取り組むという姿勢を示す上でも、この対策室の設置期間を切ってでも、やはり事業の連携を保ち、円滑に県政を執行するという体制をつくっていただくように、ぜひ改めてお願いをいたしておきます。  次に、柏原海岸の浸食問題について伺います。  これまで二回の応急工事、平成四年度の恒久対策まで、三度にわたる対策にもかかわらず、浸食はやむどころなく続いております。やむどころか、むしろことしの夏は、浜がけの高さが五メートルのところも見られており、現地の住民の不安を一層大きなものにしています。県がこれまで実施してきた工事が、浸食に対して果たして有効なものであったのか、単に対症療法に過ぎなかったのではないかという疑問が呈されています。浸食に対して有効な対策を講じるためには、その原因を的確に把握する必要があります。巨大な構造物を臨海部につくれば、海流の変化やそれに伴う砂の移動、波力の作用の変化などが起きるであろうことは容易に想定されたことであります。最初に浸食が発覚したときから、国家石油備蓄基地が主たる原因であるという地域住民の指摘は、長年柏原海岸を生活の一部としてきた人々の実体験としての皮膚感覚でありましょう。最終的に県も、この指摘を受け入れざるを得ないところとなり、恒久対策に要した二十二億円の大半は、国家石油備蓄会社の負担としたところは各位御案内のとおりであります。  今日、浜がけを初めとする海岸浸食は、一体何に起因にすると考えておられるのか。それを台風のみに求めることだけでは納得できません。明快にお答えいただきたい。  次に、台風の影響を浸食の一つの要因とすることを受け入れるとしても、最も被害の大きい場所がいつもチリメンジャコ工場の周辺であることを考慮するならば、ほかに何か別の要因を見つけることが科学的な者の考え方ではないでしょうか。基地からの反射波の影響を指摘する声もあるわけですが、侵入する波は、東側からだけであるという見解を示すだけでは、十分な説明をしたことにはなりません。このことにもお答えください。  次に、現在進行中の応急工事で、今後の浸食は防止できると断言できるのか。既に台風二十四号の余波で、一部浸食していると伝えられます。県は、春には砂が戻ると言われますが、台風常襲地帯の本県では、毎年春に砂が戻り、夏に台風で浸食され、工事を繰り返すということにはなりはしないのか、工事の効果に疑問があります。明快な御答弁をいただきたいと思います。  また今回、施工中もしくは予定をしている工事は、自然の海岸の中に浸食を防ぐという名月で新たな構造物を設置することになるものですが、自然という人間の力でははかり知れないもの、ひとたび壊れれば取り返しのつかないことになるこの現実について、知事はどのような感想をお持ちか伺います。  公共工事等における入札制度の改善については、国、地方を通じて汚職や談合が後を絶たないことや、いわゆるゼネコン汚職が摘発されたことによって、緊急の課題として取り組みが進められてきました。本県においても、副知事を委員長とする入札手続等改善検討委員会が設置され検討が進められてきており、一部について改善が図られています。これら改善策が、建設業界にはびこっているといわれる談合体質を一掃し、汚職の芽を摘むことができるかどうかが問われています。県においては、入札手続等改善検討委員会の出した改善策が、これまでの入札方式とどのように違い、談合等をどのように具体的に排除できるかについて、しっかりと説明する必要があります。先般行われた県庁舎北駐車場工事で改善されたはずの公募型指名競争入札においても、事前に談合情報が流れたことからも、県民にきちんと報告する責任があると思うからであります。明快な答弁を期待します。  次に、検討委員会で引き続き検討する事項のうち、幾つかについて県の具体的なスタンスをお答えください。希望工事型指名競争入札方式及び技術提案総合評価方式は、談合防止に果たしてなり得るのか。いつごろ結論を出されるおつもりか。また、不正行為を行った業者に対する制裁処置の強化について、指名停止期間の延長などが思い浮かぶのでありますが、その方向性を伺います。工事完成保証人のあり方については、今後、この制度をどのようにしようとしているのか、お尋ねいたします。  新しい宇宙開発時代を切り開く白い航跡に期待を膨らませて、種子島宇宙センターから打ち上げられたH2ロケットきく6号は、最後の関門で静止軌道に乗れず、所期の目的を果たせない結果に終わりました。将来のマルチメディア時代に備えた多彩な通信実験の成果に期待が大きかっただけに、まことに残念でなりません。失敗こそ科学の扉を開くかぎといわれます。三十年後には、月に日本製の月面有人基地を建設するという宇宙開発委員会の長期ビジョン構想が七月末に発表されています。ぜひ今回の失敗を教訓にして、今後の前進につなげてほしいと願うものであります。  宇宙開発委員会の長期ビジョン構想に欠かせないのが、日本版無人スペースシャトルホープと、これを搭載して打ち上げるH2ロケットの発展型ロケットの開発であります。宇宙開発事業団は、このH2発展型のロケットも種子島から打ち上げる方針に変わりがないことを表明しており、種子島がこれからも、二十一世紀への宇宙開発の最前線基地として情報を発信し続けることが期待されます。  そこでお尋ねしますが、ホープ計画の現状と本県への誘致を目指しているホープ着陸場の見通しについて伺いまた先般、航空宇宙産業を九州の先導的産業に育てることを目指した九州航空宇宙開発推進協議会の基本構想が発表されましたが、それによると、月、惑星資源開発研究所や航空宇宙材料加工技術開発センター、アジア航空機整備学校など、二十一世紀への航空宇宙産業振興のための具体的プロジェクトを示し、このうち五項目が地方での取り組みが可能であるといわれます。この協議会には鹿児島県も参加しており、来年二月には本県でプロジェクト構想の説明会も開かれる予定と聞いております。  そこで、今後日本の宇宙開発計画の拠点として、鹿児島が先導的役割を担い国際的な評価を高めていくためにも、航空宇宙産業の本県への誘致建設がぜひとも必要であると思いますが、知事の見解を伺います。  九月は、障害者雇用促進月間であり、障害者雇用促進激励大会が開催されたのを初め、事業主の理解を雇用を訴えてさまざまなキャンペーンが行われています。鹿児島県内では六月三十日現在、六千三十二名の障害者が職業的自立を求めて職業安定所に登録しています。このうち就業中の人は四千四百四十五人で、千八十人が職を求めている状態です。事業所には、一定の割合で障害者を雇用することが法律で義務づけられています。この法定雇用率は、県や市町村などの機関で二・〇%、一般民間企業は一・六%となっています。平成五年の本県の実雇用率は、県が二・一八%、市町村が二・二三%、一般企業が一・九三%で、いずれも法定雇用率は達成しており、しかも全国平均を上回っていることは、関係者の努力の結果として評価いたします。しかし、雇用率未達成の県内市町村数は、平成二年が十四、三年が十五で、ここ二年は連続して十八と多くなっていますが、これらの市町村はどのような努力が行われているのか、また、県はどのように指導されているのか伺います。  第二点は、雇用率未達成の一般民間企業の割合は年々減少傾向にあり、事業主の理解が深まっていると見られます。それでも未達成が三四・五%を占めており、不況下で厳しい雇用情勢だけに企業に対する指導の強化が求められますが、どのように対応されているのかお伺いいたします。  昨年七月一日、鹿児島県の許可を得て設立された鹿児島市中小企業勤労者福祉サービスセンターは、鹿児島市が基本財産一億円を全額出資して職員を派遣し、共済給付事業や出産医療資金等の融資あっせん、スポーツ大会等の企画実施など、中小企業の労働者福祉の向上に寄与しています。中小企業が単独では実施しがたい労働福祉の諸制度や政策について、一定の地域の中小企業の事業主と勤労者が協力して、中小企業勤労者福祉サービスセンターを設立し、その自助努力により、在職中の生活安定、健康の維持増進、老後の生活保障等にわたる総合的な福祉事業を推進することは、県内への若者の定着を図る上からも非常に重要なものとして私どもは位置づけております。県は、このことをどう評価されておられるのか。また、要望の強い奄美や鹿屋など、今後、地方の設立に向けてどのように対応されているのか。県として設立に支援策はとれないのか、お伺いをいたします。  男女共同参加型社会の形成を図る上から、女性の方々が県の各種審議会や委員会など、政策方針検討決定の場へ積極的に参画されることが重要であります。そのために本県においては、実践的計画として鹿児島女性プラン21が策定され、具体的努力がなされております。二〇〇〇年、平成十二年までに地方自治法に基づく審議会の女性委員の割合は一五%以上に引き上げる目標を立てておられますが、ことし五月一日現在、九・七%と、ここ四、五年、八%前後から、わずかではありますが高まりを見せています。私は以前、女性の登用率を高めるためには、各団体等の長をあて職としてメンバーに選出する基準の見直しと各種審議会ごとの目標達成計画の策定を提案したのでありますが、その後、どのような努力がされてきたのか。あと六年で一五%以上の目標率達成のためには、現在の女性委員九十四名にプラスして五十二名以上の登用が必要であります。この五年間でわずか十七名しかふえなかった経過からしますと、審議会を所管する各部局が女性登用への理解を深め、具体的な選出基準の見直しと相当な努力がなければ困難と思われます。今後、目標率達成に向けての方策と知事の決意を伺います。  男女参加型社会の形成にとって不可欠なものが、女性の社会進出と、それを支える条件としての出産、育児の支援、介護や教育費等の負担の軽減、男女差別の解消などであります。このうち、今日大きな社会問題となっております少子化対策についてお尋ねします。  出生率低下の原因は、多くの要因が絡み合っており、出生率を上げる妙薬は難しい面もあります。県では昨年度、少子化対策のための実態調査を実施され、この九月補正に、すこやかに子供を産み育てる環境づくり推進事業を計上して、具体的な施策の検討を始められることになっており、時宜を得たものとして評価いたします。  一方、厚生省は、今後の少子化対策の柱となる子育て支援総合計画、エンゼルプランの検討を始めており、その骨格が八月末に発表されております。それによると、乳幼児保育所の拡充、早朝、夜間の延長保育、児童クラブの増設、母子保健総合医療センターの建設など、具体的な整備目標数値を年末までに作成する予定となっています。  そこで、本県においても、積極的な少子化対策の推進のために、具体的な整備目標数値を明らかにしたエンゼルプランを策定すべきだと考えますが、見解を伺います。  この八月、上屋久町一湊漁港の防波堤新設予定地近くに、大花型サンゴの群落があることが明らかになり、世界自然遺産登録の屋久島に新たな問題が発生しました。知事はマスコミの取材に対して、サンゴを守るために防波堤の計画変更を行う可能性について示唆したと報道されております。この漁港整備計画の変更の可能性に言及された真意はどこにあるのか、御説明いただきたいと思います。  県は、専門的な調査を既に開始をされ、委託を受けた環境技術協会において、九月七日から十一月八日までの計画で、各面から検討が進められているものと承知しておりますが、現時点で明らかになった調査結果の概要についてお答えいただきたい。私も先般、新たに結成された屋久島議員連盟の一員として現地を訪問し、地元のダイバーのお話を伺いましたが、ダイバーの方々の間でも見解が分かれていると思われます。大花型サンゴは群落していること、そのサンゴが生きているか否かについて、明快な答弁をお願いいたします。  屋久島海域には、この地以外に、数カ所にサンゴが群生していることが確認されており、これらの生息状況と学術的価値等について実態調査をすべきだと思いますが、見解を求めます。  次は、観光客を中心とする入り込み客の確保と輸送力の増強についてであります。  屋久島現地では自然遺産に登録されたことによって観光入り込み客の増大を見込み、大型宿泊施設を含めて受け入れ態勢の整備が着々と進められつつあります。しかし、ことしのお客の多い時期の状況を総括すると観光客は前年度に比べて二千名も減少し、民宿旅館等は五〇%ぐらいの稼働率であったと、島民の期待を裏切る結果に終わりました。その原因はいろいろ分析をされているようでありますが、最も強く指摘されているのが輸送力の問題であります。現在の海と空の交通手段のみでは、観光客をこれ以上ふやしていくことには限界があると考えており、便数の増とジェット化は最も急がれるべき課題であると考えますが、屋久島空港の整備計画について見解を明らかにしていただきたい。また、輸送力の増強について検討されている対策があればお示しください。  世界保健機構は、この一年間にアジアで新たにエイズに百万人が感染し、二〇〇〇年までには世界の感染者は一千万人を超すと報告しています。この八月横浜市で開かれた国際エイズ会議では急激な感染拡大の背景として発展途上国の貧困や麻薬と無知、女性の地位の低さなどが指摘され、エイズ患者感染者には偏見と差別との闘いがあること。基礎研究、治療予防、教育などエイズ克服への努力の必要性も確認されました。取り組むべき課題は多く、日本も手をこまねいていることはできません。  厚生省はこの八月の国際エイズ会議に向けて、エイズ医療の中核機関とするため、各都道府県に二カ所以上のエイズ治療拠点病院を指定するよう指導していましたが、これまでのところ七県十六機関にとどまっており、九州では福岡が四カ所、熊本県が三カ所、佐賀、長崎、大分県がそれぞれニカ所となっています。まず、この拠点病院指定の背景を伺います。  本県では八月十七日にエイズ対策連絡会議を開催して、指定のための作業を進めていると聞いておりますが、いつごろ何カ所の指定となるのか。その際、総合病院であります県立病院はどのような位置づけになるのか伺いままた、指定となっても指定機関名を公表していない県もありますが、本県の場合の対応についてお尋ねします。    〔知事土屋佳照君登壇〕 39 ◯知事(土屋佳照君)志布志湾の自砂青松の長い海岸線は国定公園にも指定されており、本県にとりまして極めて重要な財産でございますので、極力保全を図っていく必要があると思っております。このため、昨年実施いたしました柏原海岸の恒久対策としての地形変化対策工事につきましても、できるだけ自然に近い形になるよう突堤域と人口養浜のみによる対策を行い、周辺海岸の環境保全や景観対策にも十分配慮したものでございますが、今回浜がけが生じましたことから背後地の保全を図るため砂どめ工と浜がけの整地を既に行い、今後一部区間について緩傾斜護岸を施工することといたしております。  もとより自然の力に対し、人間の力で万全を期するといってもそれには限度があり、困難な面もあるとは存じますが、これまでの対策工の効果につきましても、夏の浸食や冬の堆積といったことが見受けられますことから、ある程度時間をかけて海岸がどう安定していくか十分調査検討を行い、必要があればさらに適切な対応策を講じるなど、良好な自然海岸の保全に努めてまいりたいと思っております。  次に、ホープ計画につきましては、国の平成六年度の予算に技術試験機の開発研究費が初めて計上されますとともに、平成六年度の宇宙開発計画におきまして、今世紀中に技術試験機をH2ロケットにより打ち上げることを目標とすることが盛り込まれますなど大きく前進したと受けとめております。  一方、実用機の開発計画及び着陸場につきましては、この技術試験機による研究成果を踏まえ、その後検討をするということにされておりまして、現段階ではホープ着陸場の見通しは明らかではございませんが、打ら上げ施設に近いとったような本県の優位性は変わらないと思いますので、今後ともあらゆる機会を通じて本県への誘致を働きかけていきたいと思っております。  また、我が国で唯一ロケット打ち上げ施設が立地しております本県といたしましては、航空宇宙産業の地方展開が図られることを強く念願をいたしておりますが、現実にはロケット燃料やソフト関連企業等数社が現地に立地しているのみでございまして、これからの課題であると考えております。  航空宇宙産業の地方展開のためには、宇宙産業全体の規模拡大が必要であり、国の宇宙開発予算の大幅増額やロケット打ち上げ回数の増加など課題ではないかと思っております。いずれにしても宇宙産業は、これからのリーディンク産業であると思われますので、県といたしましてはこれらの課題の解決につきまして、県の宇宙開発促進協議会等を通じ、また九州航空宇宙開発推進協議会とも一体となりまして、国や関係機関に強く働きかけますとともに、航空宇宙産業導入に必要な条件整備を進めるなど、長期的な視点で積極的に取り組んでいきたいと思っております。  次に、一湊漁港の整備計画につきましては、基本的には私は漁港整備計画地にあるサンゴが貴重なものならば保存すべきであるという考え方に立っておりますが、現在漁港整備計画地周辺のサンゴの分布状況などについて、御承知のように調査中でございまして、また防波堤の整備や地元の強い要請でもございますことから、調査結果を踏まえ、慎重に対応を検討してまいりたいと思っております。  また、屋久島と鹿児島等との間の輸送力につきましては、これまで県としてはフェリーやジェットフォイル建造に当たりましてふるさと融資を行いますなど、船舶の大型化、高速化を積極的に推進をいたしますとともに、今後の輸送力の増強について、国や関係事業者に対し強く要請をしてまいっております。この要請を受けて事業者においては、正月やゴールデンウィーク等の繁忙期には、航空路においては臨時便を運航し、また航路においては娯楽室やロビー等を利用して大幅な定員増を行いますなど、需要の増加に弾力的に対応をされております。
     屋久島はサンオーシャンリゾート構想の進展、また昨年十二月の世界自然遺産への登録、屋久島環境文化村構想の推進等に伴いまして、旅客の増加も見込まれておりますので、観光客と乗降客の推移を見きわめながら、今後とも必要に応じて航空路や航路の充実を関係機関に要請いたしますなど、適切な対応をしてまいりたいと思っております。  屋久島空港のジェット化につきましては、旅客の需要動向や航空会社のジェット路線の就航維持の見通し、また新種子島空港の整備や海や空の輸送力の強化状況等を広く勘案しながら検討していく必要があると思っておりますが、同時に世界自然遺産に登録された屋久島の自然環境との調和ということにつきましても、配慮していかなければならないと思っております。 40 ◯土木部長(奥田 朗君)柏原海岸につきましては、恒久対策としましての地形変化対策工事の以後、昨年の夏から秋にかけまして五回の台風によりまして、一部浜がけが生じたのであります。けれども冬場には砂の堆積も見られ、ことしの六月までは安定した状態でありました。その後ことしの七月から八月に接近した台風七号と十四号によりまして、約二キロメートルの区間で浜がけが生じたところでございます。  今回の台風は停滞時間が長かったことと、波向きが東寄りだったために柏原海岸に対する影響が大きかったものと思われるわけでありますが、静穏時は堆積も見られるわけでありまして、今後引き続き深浅測量でありますとか、海浜の変形メカニズムの調査など行ってまいりたいと存じております。  次に、基地からの反射波の影響はどうかという点でありますけど、柏原海岸の海浜に大きな影響を与える波といいますのは、主として南東から東寄りの波でございますけれども、石油備蓄基地は柏原海岸の南東に位置しております。ですから、この方向の波では基地からの反射波は生じないのであります。  一方、北東からの波が基地の北の護岸に当たった場合に反射波が柏原海岸に影響を与えるということが考えられるわけでありますが、この方向の波は志布志湾の地形から見まして、湾内では小さい波しか発生しないと考えられるのでありまして、この反射波も小さく、浸食に対して大きな影響を与えているとは考えられないのでございます。  今回の応急工事は第一段階といたしまして、砂どめ工と浜がけの整地を行ったところでございまして、今後は浜がけの大きな区間につきまして、緩傾斜護岸を整備しまして、背後地の保全を図るものでございます。  緩傾斜護岸によりまして背後地の保全は図られるものと思われますが、海浜地全体の安定につきましては、台風期等、波の高い時期は浸食、冬場の静穏時には堆積の傾向が見られるわけでありますので、今後とも引き続き、先ほど申し上げましたような調査等を行いまして、必要があれば、さらに適切な対応策を講じてまいりたいと思っております。  それから、今回の入札制度の改善の内容につきましては、一つ目は入札参加資格要件を具体的に設定し、発注者の裁量の余地を少なくすることによります客観性の確保、それから二つ目には設定した資格要件を公表することによる透明性の確保、三つ目には入札参加希望者を公募し、入札参加意欲のある者に広く入札参加の機会を与えることによる競争性の確保等を図るために、一般競争入札でありますとか、公募型の指名競争入札などの新しい入札方式を導入し、発注者の恣意的な判断が入り込む余地を少なくするとともに、予備指名制度の廃止でありますとか、入札指名業者名にかえて入札指名業者の数のみを公表することとしたところでございまして、今回の改善は談合等の防止につながるものと考えておるところでございます。  なお、談合の防止は、このような制度改善の面だけではなくて、業界自体がみずから公正競争や企業倫理の確立に努めますとともに、社会に及ぼす影響の大きさを十分認識し、県民の信頼を得られるように努力をすることが必要であると考えるのでございまして、今後とも業界に対しましては、関係法令の遵守や談合防止等の指導に努めてまいりたいと存じております。  また、入札手続等改善委員会におきましては、今後問題があれば試行を進めます中で改善を行い、入札手続等のより一層の透明性、客観性、競争性の確保に努めてまいりたいと存じます。  次に、工事希望型指名競争入札方式と申しますのは、事前に希望工種を登録された建設業者の中から二十社程度の技術資料提出対象者を選択いたしまして、技術資料を提出した社から十社程度を指名する入札方式でございます。また、技術提案総合評価方式と申しますのは、技術競争を促進しながら公共工事の質を高めるために価格だけではなくて、工期でありますとか、安全性でありますとか、デザイン等々総合的に評価して契約の相手方を決定する方式なのでございます。  これらの入札方式は、技術力や実受注の意欲を反映し、また価格以外の要素も重視しておりますことから、公平公正な入札方式の一つであると考えております。  この二つの入札方式は、現在国におきまして検討が進められておりますが、実施時期が未定でありまして、今後引き続き国の検討結果を見ながら入札手続等改善検討委員会の中で検討してまいりたいと存じます。  それから、不正行為を行った業者に対する制裁措置の件でございますが、国においては談合贈収賄等の不正行為を行った企業に対しまして、社会的、経済的にも大きな損失を伴う制裁措置を強化するために平成五年の十二月の中央建設業審議会の制裁措置の強化についての建議を踏まえまして、本年の六月に不正行為に対する監督処分の基準の策定や建設業法の一部改正がなされまして、法に基づく営業停止等の監督処分の強化でありますとか、罰金の引き上げなどの制裁措置の強化が図られてきたところでございます。  また、指名停止措置につきましては、平成六年四月に公共工事契約制度運用連絡協議会の指名停止措置要領モデルが改正され、指名停止期間の延長、再犯に対する措置の強化、新たな措置要件の設置など、制裁措置の強化が図られました。このため、本県におきましても、これらの制裁措置の強化につきまして、入札手続等改善検討委員会におきまして、検討を進めているところでございます。  それから、工事完成保証人制度でございますが、平成五年の十二月二十一日に中央建設業審議会から出されました建議におきまして、現行制度を廃止することとするが、それに変わるべき代替措置を直ちに体系化し、整備することは困難でございますために、おおむね一年程度をめどに検討し、新しい履行保証システムを早急に確立すべきであり、それまでの間においては工事完成保証人の活用もやむを得ないとしております。このため、国におきましては、学識経験者からなる履行保証制度研究会を平成六年の六月七日に設置して検討が進められているところでございまして、今後国の検討結果を見ながら入札手続等改善検討委員会の中で検討してまいりたいと存じます。 41 ◯商工労働部長(濱田隆道君)県内の市町村及び市町村の教育委員会におきます障害者の雇用率は、先生御指摘のとおり平成五年六月一日現在で二・二三%となっており、法定雇用率の二・〇%を上回っております。しかしながら、十三市町村及び五教育委員会においては、法定雇用率未達成の状況にございます。  市町村は民間企業に率先してみずから障害者の雇用を実行すべき立場にありますことから、法定雇用率未達成の市町村は採用計画を作成し、計画に沿って法定雇用率を達成するよう努力をいたしているところでございます。  県といたしましては、計画の実施状況が不十分な市町村には厳正に計画を実施するよう勧告し、雇用率達成のための指導をしておりますが、今後とも法定雇用率が達成されるよう指導強化してまいりたいと考えております。  また、民間企業に対しましては、企業訪問や公共事業安定所の窓口などを通じて、常時法定雇用率を達成するよう指導しておりますが、障害者の雇用率が著しく低く、かつ雇用数が著しく不足している企業に対しまして、雇い入れ計画の作成命令を行うなどの指導を行っております。  次に、中小企業勤労者福祉サービスセンターにつきましては、経営基盤の弱い中小企業が単独で行うことが困難な福利厚生事業について、多くの中小企業の労使双方が会費を拠出し合って大企業並みの福利厚生事業を行うものであり、県内中小企業勤労者の福祉の向上はもとより、魅力ある職場づくりの一環でもございまして、若年労働者の県内定着にもつながるものと期待しております。本県では、昨年四月に鹿児島市において開設されましたが、順調に運営をされ、所期の成果を上げておると考えております。  同センターの設立につきましては、原則として人口十万人以上という要件がございますことから、鹿児島市以外の地域におきましては、複数市町村による広域設立する必要がございます。県では同センターに対する理解が深まるよう県下市町村を対象に講習会を開催するとともに、特に設立に向けて動きが見られます奄美地域と大隅地域については、経営者団体、労働団体等を含めた地域的な取り組みが図られるよう設立指導を進めております。 42 ◯県民福祉部長(岡元杉夫君)女性の政策方針決定の場への参画を促進することは、男女共同参画型社会の形成を図る上から大変重要なことと認識いたしまして、女性の登用に積極的に取り組んでまいりました。そのため、幅広い分野からの人材の登用を図るために県下各地で活躍している女性の人材リストを作成し、女性の審議会等委員への登用の参考に供していますほか、講演会の講師、パネラー等の人選にも活用されているところでございます。  各審議会ごとに登用目標率を定めることは、職指定や専門的知識を要する委員の選任など難しい点もありますために改選期の到来する審議会等につきましては、審議会等委員の選出基準の弾力的運用や、女性の積極的な登用につきまして、所管部課や推薦団体等への文書での要請や直接お伺いして啓発するなどの方策を講じてまいりました。  これからもこれらの方策を積極的に進め、鹿児島女性プラン21の目標登用率であります一五%以上の達成に向けて引き続き努力してまいりたいと考えております。  県では平成五年度に少子社会問題に関する調査研究を実施いたしましたが、その中の課題の一つとして示されました健やかに子供を産み育てる環境づくりを進めるために、今議会に予算をお願いしております健やかに子供を産み育てる環境づくり推進事業によりまして、学識経験者、関係機関団体等で構成いたします推進協議会を設置いたしまして、本県にふさわしい子育て支援のための具体的な施策の検討を行うことといたしております。  国において、現在子育て支援に対する社会全体の取り組みを促進するため、教育、保健福祉、雇用、住宅などの総合的な計画、いわゆるエンゼルプランの策定を検討しておりますので、そのプランとの整合性を図りながらこの事業を推進してまいりたいと考えております。  なお、県のエンゼルプランの策定につきましては、現段階では国からエンゼルプランの具体的内容が示されておりませんので、今後国の動向や、今回設置いたします推進協議会の推移も見ながら検討してまいりたいと考えております。 43 ◯林務水産部長(道園眞壽雄君)一湊漁港のサンゴ調査についてでございますが、県が調査を委託しております鹿児島県環境技術協会が九月上旬現地調査を行いました結果、防波堤整備計画地周辺にオオハナガタサンゴや、マルハナガタサンゴなどの群落が存在していることを確認しておりますが、現在当協会におきましてサンゴの種類、分布、生育状況等につきまして詳しく調査、解析中でございます。  県といたしましては、調査期限が十一月八日まででございますので、当協会からの調査報告を待ちまして、今後の対応を検討してまいりたいと考えております。 44 ◯保健環境部長(安達一彦君)屋久島のサンゴにつきましては、平成二年度から四年度にかけて実施されました環境庁の第四回自然環境保全基礎調査、サンゴ礁調査の一環といたしまして、県が委託を受け、その分布状況等について調査を行っております。  調査結果につきましては、現在環境庁が取りまとめている段階でございます。この調査は国の調査でございますから県が現在その結果を公表することはできませんが、今年度末には環境庁から公表されると聞いており、屋久島におけるサンゴの生息状況等も明らかにされるものと考えております。  引き続きまして、エイズ治療拠点病院の指定の背景についてでございますが、エイズ診療の基本的な考え方は、どこの医療機関でもその機能に応じてエイズ患者、あるいはHIV感染者に対応できるようにするということであり、住民の身近な医療機関においては一般的な診療を、また地域の拠点病院においては重症恵者に対する総合的、専門的な医療を提供するといった、その機能に応じた診療を行うことができるようにすることが必要でございます。  一方、現状におきましては、エイズ診療の経験のない医療機関が多いこと、HIVに対する不安感を持つ医療従事者がいること、他の疾患の患者に対する診療が阻害されることを危惧する医療機関があることといった問題も指摘されており、エイズ診療の拠点となる病院をまず確保し、そこを拠点として他の医療機関においてもエイズ患者等の受け入れを進めていくことが必要になっております。  このような背景から、平成五年七月二十八日厚生省医療保健局長から各都道府県知事に対し、エイズ治療拠点病院の整備について通知が出されたものであるというふうに考えております。  次に、エイズ治療拠点病院の整備についてでございますが、エイズ治療拠点病院の整備につきましては、本年八月十七日、鹿児島県エイズ対策連絡協議会が開催され、今年度中に二カ所以上の拠点病院を確保するとの意見が出されております。県もその意見を踏まえて選定作業を進めているところでございます。  エイズ治療拠点病院の選定に当たりましては、国が示しております拠点病院のあり方を基本に交通の利便性、あるいは重症患者に対する総合的、専門的な医療を提供する能力といったことを考慮して検討することとしております。県立病院もこの検討対象に含まれますが、今後県エイズ対策連絡協議会における協議の状況等も踏まえまして、総合的に判断してまいりたいと考えております。  次に、施設名の公表についてでございますが、エイズ治療拠点病院には情報収集とともに、地域の他の医療機関への情報提供を行うといったことも期待されており、その施設名を地域の医療機関に周知することは望ましいと考えております。  いわゆる一般公表につきましては、先進県の状況、あるいは県エイズ対策連絡協議会の意見等を踏まえまして、今後検討してまいりたいと考えております。       ─────────────    △ 会議時間の延長 45 ◯議長(鶴田辰巳君)本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめ延長いたします。    〔二牟礼正博君登壇〕 46 ◯二牟礼正博君 柏原海岸の浸食問題については、今答弁がありました。時間をかけて安定した海浜形成を目指すという一方で、必要があれば適切な対策を講ずるということであります。これでは、今後毎年台風によって浸食されれば、その都度応急工事を繰り返して事業費をつぎ込むということになりはしないか。そのような事態にならないように、浸食の原因の徹底究明と抜本的な対策を強く要望しておきます。  障害者の雇用率の問題で、市町村未達成、この二年ほど一八というふうになっておりますが、やはり率先して指導すべき自治体でございますので、その達成の取り組みについてなお一段の努力をお願いを申し上げます。  女性の登用率の達成については、決意だけではなかなか困難であります。今お話のございましたように選出基準の見直しなど実効ある具体的な取り組みをお願いをいたしておきます。  今回の屋久島議連の現地調査を踏まえまして、私どもは屋久島環境文化村構想というものが、山に大きな目が向いておって、県のパンフレット等を見ましても、サンゴや海域についての表示が見られません。つまり海への視点が欠落していたのではないでしょうか。屋久島のすばらしい海域と漁民の生活を含めた自然と島民の生活向上との共生について、より具体的な方向性が出されることを期待いたします。  ガット・ウルグアイ・ラウンド合意後の農政全般のあり方を検討していた農政審議会の報告が総理大臣に提出されました。農林水産省はこの報告を受けて、食糧管理法による米の全量の管理のあり方をあきらめて、生産も流通も自由化する方針を固めたと言われます。食糧管理法の廃止は政府の介入と保護を基本にしてきた日本農業を自由競争のもとに置き、国際競争力に耐え得る稲作の再構築をねらいとしています。本県の稲作地帯は中山間地が多くを占めている中で、国際競争力に耐え得る農業経営は非常に厳しい条件下にあると思われますが、この食糧管理法の廃止が本県農業にどのような影響を与えると思われるのか明らかにしていただきたい。  報告書によりますと、米の管理システムについては、減反は生産者の判断にゆだねています。減反に積極的に応じ、協力する農家には一定の買い入れ価格保証や奨励金の措置がとられますが、減反に応じない農家は自由な米の取引ができるかわりに、価格暴落などのときは、そのリスクを自分で背負うことになります。このように日本の稲作農家が大きな転換期を迫られることにより、生産流通の自由化が農業団体、集荷業者、農家にどのような変化をもたらすのか、知事の見解を伺います。  米の輸入自由化時代に備えて内外格差を縮小し、国際競争力のある稲作農業を確立するためには、規模拡大による生産コストを下げなければなりません。しかし、価格保証が維持されなければ農家は経営見通しの計画が立たず、規模拡大に意欲を燃やす農家は育たないと思いますが、今後の対応策をお示しください。  平成三年から牛肉の輸入自由化が始まり、昨年からは関税率が五〇%に引き下げられ、輸入量は増大し、円高で輸入牛肉はどんどん安くなり、これが和牛農家に大きな打撃を与えています。輸入牛の増大で価格帯が値崩れしたまま一向に上がらず、豚肉までも牛肉価格の影響を受けて、頭を押えられている現状です。子牛一頭三十五万円が経営の採算ラインと言われますが、最近の相場は成牛も三十五万円という競り値も出ています。特に雌牛においては肥育するのにかかった経費どころか素牛代も稼げない農家も出ています。事業を始めるときに大きな投資をした畜産農家は借入金を返す間もなく、新たな規模拡大に取り組み、多くの農家は借金を返せない上に、今は牛を売るたびに赤字が膨らみ、畜産経営をやめるにやめられず、夜逃げしかないという無力感さえ漂っています。今や本県の畜産農家は生死の瀬戸際にあると言えます。将来に希望が持てる具体的施策がなければ本県の畜産は崩壊するおそれさえあり、地域経済に与える影響も大きくなります。したがって、負債整理対策として一定期間、借入金の返済棚上げ等の措置を講ずることも必要であると思われますが、知事の見解を伺います。  ガット・ウルグアイ・ラウンドの合意や欧米の直接所得補償措置などを考えると、我が国においても直接所得補償措置の実施が全く困難との結論にはならないと思います。我が国の農業は生産量及び自給率の低下に加えて、外国の地形に比較すると狭隘であり、過疎化と高齢化が進行し、農業所得も低く、とても国際競争には勝てないことは歴然としています。  そこでお尋ねしますが、本県の農業の現状を踏まえて知事は農政審議会の委員として審議に参加され、この直接所得補償措置、デカップリングについてどのような主張をなされたのか。農政審議会ではデカップリングは困難であるとの結論のようでありますが、どこに隘路があるのかについてお示しください。  本県農業は中山間地域が多く、ここでの耕作が本県の農業を担ってきたと言っても過言ではありません。宮崎県は国に先駆けて日本型所得補償制度の方策の検討を始めたと報じられております。それは中山間地に暮らす農林業家の生涯所得補償をするために年金制度を充実、活用する方向となっており、第三セクターで働く場を確保して、農林業家も厚生年金の受給資格を得るか、または年金の掛金を公的に助成するなどの道を模索しており、中山間地対策へ真剣に取り組む意欲が伝わってまいります。  そこでお尋ねしますが、宮崎県の取り組みをどのように認識されているのか。中山間地域の多い本県においてこそ独自の所得補償制度を具体的に検討し、国の施策に反映させる積極的姿勢が必要だと思いますが、いかがでしょうか。  さらに、中山間地域はアクセスの整備、環境と開発、水資源涵養の問題等、多岐にわたる分野での取り組みが必要であります。したがって農政部だけでなく、土木、環境、林務も含めた総合的視点からの政策が求められますが、知事の考えを伺います。  過熱化する受験競争の現状と偏差値に大きく依存している進路指導を是正するとして、我が県においても普通科への推薦入学制度の導入が決定されました。これによると普通科への推薦入学は一〇%を上限として、被推薦の資格には当該コースの教育を受けるにふさわしい学業成績である者を掲げています。しかし、その基準があいまいであり、個性ある生徒が入学しても、現状の高校教育の内容が個性を尊重するものとなっていない中では、結果的に受験学力の優秀な生徒を推薦する形となることは明らかであります。普通科への推薦制度は、少ない推薦枠と被推薦資格を考え合わせるとき、歴然としてある鹿児島の高校間格差、それに伴う偏差値輪切りの選別の指導体制など、過熱化する受験競争の改善に程遠いのではないかという心配も出されております。これでは偏差値の高い優秀な生徒の青田刈り的な推薦論議が進み、中学校における進路指導をゆがめることになりかねません。このような抜本的な問題点の改善がないままの来年度からの導入は拙速であり、慎重な対応を求めるものでありますが、教育長の見解を伺います。  学校嫌いによる不登校が全国的に問題となっておりますが、鹿児島県の昨年度の状況は、小学生の長期欠席者九百三十九人のうち学校嫌いが百八十一名、中学校では千二百三十五人のうち半数以上の六百六十四名が学校嫌いで、いずれも前年度より増加し続けています。不登校の原因は、いろいろな問題が複雑に絡み合っており、その原因分析と対応策も容易ではないと言われます。鹿児島県民教育文化研究所の登校拒否の原因を見ますと、教師に対する不信と恐怖、いじめが最も多くなっています。教師と学校、教育行政は子供たちが授業に興味を持ち、学校で自分の存在を実感でき、楽しく安心して学校に通えるような学校の雰囲気、子供が抱える心の病理に支援の手を差し伸べられる生徒指導の充実など、学校と教師への信頼を築く体制をつくり上げる必要があります。県教委は不登校の原因と対応策についてどのようにされているのかお伺いをいたします。  先日の地元紙の世論欄に、ある先生の授業の時間、一人の男子生徒が問題を当てられました。それにわからずにいると、お前はこんな問題もわからんようじゃ生きている価値はない。今、ここ三階から飛び降りて死ね。何のために生きているんだ、などと言われました。その先生はふだんからこのようなことを当たり前のようにおっしゃっています、という記事を見て、私はびっくりすると同時に、同世代の子供を持つ親として怒りが込み上げてきました。問題一つに答えられないからといって生きている価値がない、飛び降りて死ねと言われた言葉がその生徒の心をどれだけ傷つけ、生徒たちの先生への信頼を失わせ、学校不信を増幅したか。これが事実であるとすれば、教師としてあるまじき言動であります。県教委としては、この問題について事実を把握されたのか。どのように対応されたのか明らかにしてください。  このような教師による言葉の暴力とも思われる不用意な発言がしばしば投書されたり、親同士の会話でも聞かれます。これは指導以前の教師の基本的姿勢の問題と思いますが、県教委としてどのように指導されているのかお尋ねします。  最後に、西田橋の移設問題についてお尋ねいたします。  九月議会に西田橋解体復元計画調査事業が計上されていますが、この調査の目的は何か明らかにしてください。  移設先決定の時期は十一月の提言を受けてと答弁されましたが、移設許可申請までの手続内容とそのスケジュールについて伺います。  県の指定文化財である西田橋については、鹿児島県文化財保護審議会の史跡埋蔵文化財部会と有形文化財部会において、西田橋保存のあり方を探る勉強会が行われておりますが、ここでの勉強会は西田橋の移設という指定有形文化財の現状変更許可申請に先立って行われておるもので、前回は県河川課の説明を受けてのものであったと報じられております。今後どのような形で何回程度の勉強会が予定されているのかお伺いをいたします。  文化財保護審議会に現状変更について教育委員会から諮問があった場合、審議会としては勉強会を踏まえた十分な審議が行われると思いますが、どの程度の審議期間が必要なのかお答えください。  また、審議会は諮問に応じて必要な事項について教育委員会に建議をするということになっておりますが、審議会の建議と、それを受けた教育委員会の許可の持つそれぞれの権能について伺います。    〔知事土屋佳照君登壇〕 47 ◯知事(土屋佳照君)米の問題でございますが、国は農政審議会の報告を踏まえ、自主流通米を主体とした流通需給実勢を反映した価格形成、生産者の自主的な判断に基づいた生産調整など、食糧管理制度の見直しを念頭に置いて進められていると聞いております。現時点ではまだ見直しの具体的な内容が明らかにされておりませんので、具体的な影響等について申し上げられる状況にはございませんが、自主流通米主体の流通になることで産地間競争が激化しないか。作柄により価格の大幅な変動が起こらないか。また、新たな生産調整の仕組みが実効性のあるものになるのかどうか、そういったいろいろと懸念される問題がございます。  このため県といたしましては、関係機関団体等で構成をいたします県の農産物輸入自由化対策協議会におきまして、今後の対策等について現在鋭意検討しているところでございまして、その結果を踏まえながら今後とも稲作農家が安心して生産に取り組み、経営の安定が図られる制度となりますよう国へ要請いたしますとともに、県として対応できるものにつきましては、各般の施策を積極的に進めてまいりたいと思っております。今後の米の生産流通のあり方や、その適切な推進方策の検討を行いますとともに、販路拡大を含め、県産米の生産流通の確立を図るために必要な予算を今議会にお願いをいたしておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。  次に、中山間地域の問題について、いろいろと懸念を含めてお話がございました。私もかなり同じような気持ちで注目をしておる問題でございます。中山間地域や農林業生産の面はもとよりでございますが、国土保全等の面でも極めて重要な役割を果たしておりますが、過疎高齢化の進行や国際化の進展等によりまして、生活関連の機能や地域産業の活力が低下するのではないかと懸念もいたしております。  このため私は農政審議会の場におきましても、地域社会の活性化を図るための生産条件の整備や担い手の育成など、各般の施策を地域の実態に即してきめ細かく実施をし、付加価値の高い農林業生産や農産加工等を推進する必要性を強く述べてまいりました。  また、今回の補正予算で新たに中山間地域の市町村が実施するソフト活動の支援や小規模土地基盤整備等を実施し、中山間地域の活性化を図ることといたしております。  今後、中山間地域を若い人が希望を持って定住できるような魅力のあるものにいたしますためには、農林業を初めとする産業の活性化はもとより、地域の実態に応じた幅広い立場からの総合的な対策を講じていくことが必要であると考えおり、直ちにデカップリングの導入に踏み切る前に、そのようなもろもろの対策を講じた後、なお中山間地域の活性化を図る上での課題が相当に残るようであれば、直接所得補償制度の導入、デカップリングの導入にも国民的な合意をどう形成していくのか、そういった問題等について、十分時間をかけて検討していくべきではないかと思っております。  これに関連して、宮崎県で知事が非常に関心を持っておられ、私ともいろいろ話し合うことが多いのでございますけれども、あそこで検討されております所得補償制度につきましては、中山間地域の農林家の安定した生涯所得の確保を目的として、年金制度の充実、活用方法を中心に、今後、中長期的に検討していかれると伺っております。  このような考え方については、本県では、県林業担い手育成基金事業において、年金等の掛金の一部の助成をするといったようなことに踏み切っておるわけでございますが、いずれにしても中山間地域対策は国の動きに合わせて、私は率直に言って農林業という面だけじゃなくて、その農林業というものを超えて、もっと幅広い地域問題として全体的な対策を検討していく必要があるのではないかといったようなことを考えておりまして、その点についても農政審議会でも二回ほど私も議論を、自分の意見を述べたことがございます。  県といたしましては、今後地域資源を活用した企業の支援、生活道路や上水道、集落排水等生活環境の整備などについて、各種施策を一層充実強化しますなど、総合基本計画の地域活性化支援システムの方向に沿って、全庁的な取り組みのもとに、これらの施策を地域と一体となって総合的に推進していかなければならないと考えております。  なお、今後この中山間地域対策は重要な問題として農政審議会でも議論されると思いますが、私も率直に機会があれば自分の考えを申し述べたいと思っております。 48 ◯農政部長(林 孝生君)最近の肉用牛経営は、導入時の素牛価格が高水準であったことや、牛肉輸入量の増加、景気の低迷等によりまして枝肉価格が低下しておりますことから、収益性が低下いたしてきております。このため借入金に依存して急速に規模拡大を行った経営体の中に負債が固定化するなど、経営が悪化してきているものがございます。  このような肉用牛経営の改善を図りますため、平成五年度から大家畜経営活性化資金によりまして、低利で長期の借りかえ資金の融通を行ってきております。  さらに、この資金につきましては、平成六年度にウルグアイ・ラウンド農業合意に対処するための緊急対策として、平成十二年まで制度の存続が図れますとともに、融資枠の拡大など、資金の拡充がなされております。  今後ともこれらの措置の適切な活用によりまして、畜産経営のより一層の改善と体質強化に努めますとともに、国に対しましては据置期間の延長とか、金利の引き下げ等、今後さらに強く要請して、その実現を図ってまいりたいと考えております。 49 ◯教育長(有馬 学君)平成七年度の入学者選抜方法の改善の大きな柱の一つは、御指摘にもございましたけれども、普通科においても推薦入学者選抜を実施できるようにしたことでございます。県教育委員会といたしましては、高等学校に対し、新しい教育課程に基づいて個性を伸ばす教育を進めるよう指導しておりますけれども、推薦入試は学力検査でははかりがたい多様な能力、適性を評価できることから、個性ある生徒の入学が促進され、高等学校の活性化が図られるものと考えております。  推薦基準の細部につきましては、県教委の示した推薦基準をもとに各学校の特色が出ますように、各学校において、それぞれ工夫して定めていただくということになっております。また、中学校におきましては、日ごろの学習成績や活動状況に基づいて進路指導を進めておりまして、推薦入試では、中学校三年間の総合評価による選抜がなされることから、中学校の進路指導の改善の方向にも合致するものと考えております。導入の時期等につきましては、各学校の判断によりますが、県教育委員会といたしましては、各学校に対し、推薦入試の趣旨の徹底を図り、積極的な推薦入試の導入に努めてまいりたいと考えております。  それから不登校の対応策でございますが、登校拒否は、お話にもございましたが、学校、家庭、社会、児童生徒自身の要因が複雑に絡み合って起こっていることから、学校、家庭、地域社会が連携してその解決に努めなければならんというふうに考えております。県教委では、かねてから生徒指導の充実や、わかる授業の推進に努めますとともに、登校拒否カウンセラー養成セミナーやカウンセリング基礎講座等を通じて教員の指導力の向上に努めております。また県総合教育センターや各教育事務所におきます相談活動を行いますとともに、各学校では集団宿泊体験や勤労体験活動などを推進いたしまして、児童生徒の社会性や協調性等の涵養を指導しております。県教育委員会といたしましては、今後ともこれらの施策を積極的に推進を図りまして、登校拒否問題の解決に一層努力してまいりたいと存じます。  それから教師の発言問題でございますが、御指摘のございました新聞の世論欄の投書からは、その事実関係を確認することは困難でございますが、かねてから、教師には、教育者としての使命感、人間の成長、発達についての深い理解、児童生徒に対する教育的愛情を持って教育に当たるよう指導いたしております。県教委といたしましては、各種の研修等を積極的に実施し、教員の指導力の向上に努めておりますが、今後とも、市町村教育委員会と連携を密にし、さらに一層教員の資質向上を図り、生徒一人一人を大切にする教育が推進されまして、児童生徒にとりまして学校生活が有意義で充実したものとなりますよう努めてまいりたいと存じます。  それから文化財保護審議会の関係でございますけれども、県文化財保護審議会の県指定有形文化財、西田橋に関します勉強会は、会の持ち方やテーマなどにつきまして、審議会の意向を受け、本年度はこれまで二回開催してまいりました。今後とも、審議会の意向を受けまして適宜勉強会を開催してまいりたいと考えております。県教委といたしましては、西田橋の管理者である県知事から現状変更の許可申請がなされた場合、これを受けまして県文化財保護審議会に諮問をすることとなります。  県文化財保護審議会におきます審議期間につきましては、その内容によって一概には申すことは困難でございますが、現在、事前の勉強会も行われているというところでございますので、効率的な審議がなされるものと考えております。  それから権能の問題でございますが、県指定有形文化財西田橋につきましては、管理者から現状変更許可申請が県教委になされた場合は、県教委といたしましては、諮問機関でございます県文化財保護審議会にそれを諮問し、その答申を受けて、現状変更許可についての意思決定をするということになります。 50 ◯土木部長(奥田 朗君)西田橋は、県指定有形文化財でありますことから、移設保存するためには文化財現状変更許可を受ける必要があるわけでありまして、申請には、現状変更の内容や工法を明示し、設計書や設計図書等を添付することになっておるわけでございます。今回予算計上いたしました西田橋解体復元計画調査事業は、この西田橋の現状変更許可申請の資料を作成いたしますため、現況調査や解体工法等の検討を行うものであります。なお、申請の時期につきましては平成七年五月ごろを予定しております。  石橋の移設復元地につきましては、現在、甲突川石橋移設復元地選定委員会におきまして検討が進められておりまして、委員会はこれまで三回開催され、移設復元地の基本的な考え方につきまして討議がなされまして、また候補地のリストアップだとか現地調査等が行われております。今後、二回開催される委員会におきまして候補地を絞り込み、十一月には提言をいただき、できるだけ早く移設復元地を決定したいと考えております。    〔二牟礼正博君登壇〕 51 ◯二牟礼正博君 農業問題は、今や国際関係の渦中にありまして、より広い視野での対応が求められております。本県のみの取り組みでは難しい面もありますが、先ほど知事の答弁がありましたように、鹿児島県の実情を踏まえて積極的な施策の検討と今後の提言を行っていただきますようお願いをいたしておきます。  先生の言動が子供たちに大きな影響を与えます。不登校の原因として挙げられた、授業についていけない子供、友だちとうまくいかない、受験競争の重圧や家庭内の問題など、いずれをとりましても、子供の気持ちを酌み取り、話し合える教師との信頼関係と子供の実情に応じた生徒指導によって克服ができる事例もあると思います。今問われているのは、教師への信頼回復ではないでしょうか。その条件整備のために、教育長の一層の努力をお願いいたしておきます。  夏の甲子園で樟南高校の活躍ぶりがテレビ、新聞を通して報道され、我々に深い感動と勇気を与えてくれましたが、この夏、同じように青春の力をぶつけ、全国のチームを相手に戦った高校生がいます。牧園高校の馬術と実業高校ライフル射撃の全国大会優勝、軟式野球での商業高校の活躍、優勝は逸したものの、インターハイでの空手の城西高校、フェンシング、ボクシング、剣道での個人優勝など、いずれも汗にまみれ、血のにじむような厳しい練習の積み上げによってかち得た栄冠であります。優勝はできなかったものの、どの競技選手も樟南高校の選手にまさるとも劣らぬ練習を積み、精いっぱいの力を出し切ったと思います。この夏、みずからの青春をかけて熱い戦いに臨んだこれら若人に賞賛の拍手を送らずにはおられません。マスコミは時としてヒーローをつくり上げます。また世論をも誘導する力も発揮しますが、我々はそこにあらわれない者の活躍や下積みの努力にも公正な目を向ける必要を感じます。  しかし、我々の選挙は結果であります。お互いに努力を重ね、勝利の栄冠を得るために奮闘しようではありませんか。社会党も全力を挙げる決意を申し上げまして、代表質問を終わります。(拍手) 52 ◯議長(鶴田辰巳君)これで、代表質問は終わりました。  ここで、休憩いたします。  再開は、おおむね十七時二十五分からといたします。         午後五時 十二分休憩
          ─────────────         午後五時二十五分開議 53 ◯議長(鶴田辰巳君)再開いたします。    △ 一般質問 54 ◯議長(鶴田辰巳君)一般質問であります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。  まず、黒田清信君に発言を許可いたします。    〔黒田清信君登壇〕(拍手) 55 ◯黒田清信君 平成六年第三回定例会に当たり、公明党所属議員として一般質問を行ってまいりますが、質問に入ります前に、志半ばにして御逝去されました橋口茂議員、日高美成議員に哀悼の意を表し、心より御冥福をお祈りいたします。  さて、今月十一日投票が行われました参議院愛知選挙区再選挙で、我が党など改革推進協議会が擁立した都築譲氏は、自民、社会、新党さきがけの三与党が擁立した水野候補に三十八万票以上の大差をつけて圧勝しました。村山政権誕生後、初の国政選挙として現連立与党と旧連立与党が総力を挙げてぶつかった今回の選挙で、旧連立与党の擁立した候補が圧倒的勝利を果たした意味は、極めて大きいものがあります。一つには、自民、社会、さきがけの連立による村山政権に対し、国民が明確にノーの審判を下したということであり、二つには旧連立与党を主体とした新・新党に対する国民の期待感の広がりを示した選挙結果であったということであります。翌日の一般紙は、異口同音に自社共闘のモデルケースとして位置づけて総力戦を展開してきただけに、大差での敗北は自社両党の選挙協力の難しさを浮き彫りにしたと述べております。  話は変わりますが、鹿児島連合の初代会長として活躍されてこられた黒野元吉氏が、みずからの出身母体である全電通鹿児島県支部委員長を辞するに当たり、次のようなあいさつをなさったとお伺いをいたします。  「黒野氏は、自社連立はいまだに腑に落ちない。社会党のこれまでの基本政策だった自衛隊、安保、非武装中立論や日の丸、君が代問題を含め、総理の党ということのみでコペルニクス的展開を独断先行させたことは、言葉では言いあらわせない唐突感と強い戸惑いを感じている。このように政策転換が一夜にして簡単にできるのなら、なぜ旧連立のときに変えなかったのか、村山総理に直接聞いてみたいものだ」と述べられ、さらに「私どもが目指した政治改革は、自民党の長期一党支配で培われた政・官・財の癒着構造と五十五年体制と言われた自社のなれ合い政治を打破することにありました。しかし、今回の連立政権誕生は、社会党の政権参加が結果として自民党の復権を許すということになり、極めて残念である」と述べられたのであります。鹿児島県労働界のトップリーダーとして、長年全力投球されてこられた黒野氏のまさに苦悩の発言と思われてなりません。  そこでまず初めに、村山政権誕生についての知事の感想と村山政権に対する所見をお伺いをいたしたいと思います。  次に、財政運営について伺います。  知事は、提案理由の説明の中で、本県経済は総じて見れば緩やかな回復傾向をたどっていると思われますが、今後の景気動向についてはなお注意深く見守り、適切に対応していく必要があると考えておりますと述べられました。確かに景気は少し持ち直してきてはおりますが、依然として厳しい局面にあります。本県は中小零細企業がほとんどで、不況の影響は余り受けない構造になっているとはいえ、県税収入も決して大きな伸びは期待できる状況にはありません。  しかしながら、今後も災害対策を初めさまざまな財政需要が出てくることは必定であり、基金も取り崩し、県債残高も増加してきております。六年度起債見込みは一千三百十五億円となり、その額は県税収入を上回り、年度末県債残高は七千二百五十億円にも達する見込みであります。今後の財政運営に支障はないのか、懸念するものでありますが、いかがでありましょうか、お伺いをいたします。  次に、イメージアップ推進について伺います。  昨年の夏は百年に一度という大水害で、鹿児島は悲しい情報を全国に発信せざるを得ませんでしたが、今年は何と言っても樟南高校が熱闘と感動で鹿児島旋風を巻き起こしてくれました。県民待望の真紅の大優勝旗こそいま一歩のところで鹿児島までは届きませんでしたが、アルプススタンドやテレビにくぎづけのファンは、まさに手に汗握る大声援、県民の期待を一心に集める大活躍で、見事に準優勝に輝いたのであります。  高校野球と時を同じゅうして、樟南高校が優勝戦を戦っているとき、我々県議会軟式野球大会もちょうど準決勝戦の最中でありました。四十回を数える全国都道府県議会議員親善野球大会で、いまだ勝ち星のない我が鹿児島県議会チームは、応援団も含めチームがまさに一丸となり、一回戦で初勝利するや、あれよあれよという間に決勝戦まで勝ち進み、ついには全国優勝をしてしまったのであります。若さや技術等、レベルの違いについては、高校野球とはいかんともしがたいものがありますが、応援団も含めベンチも選手も心を一つにして戦うひたむきさ、苦闘の末に味わう勝利の味は実にさわやかで、何にもかえがたく、高校野球にまさるとも劣らない感動がありました。歌える県民の歌でもあれば、みんなで力いっぱい歌ってみたい心境でありました。  少々長くなってしまいましたが、本論に返りますと、今県はイメージアップ推進事業を展開中であります。県内はもちろん県外の人々からも共感を持って受け入れられる鹿児島の個性ある好ましいイメージを形成していくために、マスタープランを策定し、その第一弾としてシンボルマークを策定し、その普及展開に努めておられるところであります。  そこでお伺いいたしますが、九月補正で盛り込んだ浸透策も含めシンボルマークの各種浸透策を具体的にお示しいただきたいのであります。あわせて、シンボルマークと県章との関係、シンボルマークの県章化についてもお伺いをしたいと思います。  次に、新しい県民愛唱歌の製作について伺います。  今NHK鹿児島放送局は新しい鹿児島の歌をつくり、一日に数回放送し、その明るくさわやかなメロディーが大変好評のようであります。開局六十周年記念事業として、昨年の災害から立ち直る明るいイメージの鹿児島を売り込む目的での第一作目だそうでありますが、今後も二作、三作が計画されているようであります。  翻って我が鹿児島にも昭和二十三年、私が生まれた年でございますが、制定されました鹿児島県県民の歌があります。かの有名な山田耕作先生作曲の名曲であり、歌詞も決して古い感じのものではありませんが、残念ながら県民が気軽に口づさむ状況にはなっていないのであります。歌は人々の心を揺さぶり、勇気と希望を与えてくれます。新しい歴史をつくっていく原動力であります。歌は世につれ世は歌につれと言われます。二十一世紀へ向けて新しい鹿児島をつくろうとしている今、現代にマッチした県民が心を一つにして気軽に歌える新しい県民愛唱歌をつくってはどうかと提案するものであります。見解をお聞かせください。  次に、県民ファックスの新設について伺います。  県政は県民のための県政であり、県民のための知事でなくてはなりません。知事には県民の側、生活者の側に立って、県民の幅広い声を積極的に施策に反映させていくことが求められております。知事は、知事対話や県政モニター、あるいは知事の手紙等を通しまして、県民の生の声を吸収し、県政に反映させようと努められていることを評価するものであります。さらに、身近な最新情報を県民に提供したり、県民が自分の意見を直接知事にぶつけたりして、気軽に県政に参加できるように、県政とのファックス通信、仮称県民ファックスを新設することを提案いたしたいと思います。知事と県民との距離を埋める意味からも双方向、ツーウエーのファックス通信はぜひ必要だと考えます。見解をお聞かせください。あわせて、知事の手紙等のシステムと活用件数についても明らかにしていただきたいのであります。  次に、国際火山総合センターの設置について伺います。  御承知のとおり、昭和六十三年七月、火山に関する研究対策の推進と火山地域の振興発展に資するため、火山と人との共存をテーマとして鹿児島国際火山会議が開催されました。火山会議では鹿児島宣言が採択され、その中で火山に関する情報、研究、研修機能を確立するため、国際火山総合センター構想が提唱されたのは各位御承知のとおりであります。世界の中でも有数の火山国である我が国にあって、屈指の活火山桜島を抱える本県が火山防災の拠点として研究、研修機能を充実させ、世界に情報を発信していくことは極めて意義のあることであります。県もその実現に向けて火山懇談会を開催したり、火山に関する国際的な技術交流、あるいは防災セミナーや火山学セミナー、国際火山フォーラム等を開催し、実績を積み重ね、国に対しても開発促進協議会等、あらゆる機会を通して設置実現への要請をされてきているところであります。  しかしながら、昭和六十三年から既に六年を経過した現在、県民の期待とは裏腹に、残念ながら火山総合センター実現へはほとんど前進をしているとは思えない状況にあり、まことにもどかしい限りであります。国土庁も鹿児島県と連携を密にして、その実現に対して支援してまいりたいと委員会で答弁しておりますが、一向に前進しないのはどこに問題があるのか、障害となっているのは何なのか、課題がはっきりしていないように思えてなりません。  私は、最初からいきなり研究、研侈機能に情報発信の三機能を完備した国際火山総合センターの新設は、現時点では困難のように思えてなりません。したがって、私は先行して取り組む部門を研修施設に絞って取り組むとか、JICAの国際研修センターとの併設、あるいは設置場所についても県として絞り込んで国に要請していくことが必要ではないかと考えますが、いかがでありましょうか。これまでの火山懇談会の開催状況と国際火山総合センター実現への今後の取り組みについて明らかにしていただきたいのであります。  次に、桜島の場外船券売り場計画について伺います。  この問題については、六月議会でも質問いたしましたが、その後情勢に変化があり、ここできちんとしておかないと泥沼化し、不幸な状況に陥る懸念がありますので、単刀直入に再び知事にお伺いいたします。  六月議会以降、建設を計画している業者が県に計画概要を提示したり、桜島町の町長が初めて県に場外船券売り場計画を説明し、計画撤回の意思のないことを表明されるなど新しい動きが報道されております。町長は、施設建設について町議会が議決し、住民の同意を得ている。過疎対策や地域振興の視点から不可欠との持論で、それに対して県は国立公園内にギャンブル施設を建設することは前例もなく、風致上支障があり、好ましい施設ではないと難色を示したと報道されております。  そこで、これまでの桜島町、あるいは業者の動きと、これまでの県の対応について説明をいただくとともに、地元紙によりますと、業者は今後の対応について県の出方を待ちたい、何らかの通知が来るのではないかと言っていると報道されておりますが、業者への今後の対応について明らかにしていただきたいのであります。  次に、船券売り場の早期建設望むというタイトルの投稿が、九月二十二日の南日本新聞「ひろば」欄に掲載されております。要旨は、財源の確保と過疎対策の切り札として大賛成である、全国に公営競技場は至るところに存在し、法律で認められた競技に反対者がいるのは理解に苦しむ、県知事は好ましくない施設であるとの見解を示されたようだが、その収益金の恩恵を受けている自治体も多くあり、国立公園内に前例がないとすれば前例をつくればよいではないか、反対ばかりしていては進歩がないと結んであります。  そこで、事業者が建設許可申請を提出した場合、知事の対応について伺います。今後、県と桜島町、あるいは町と町民との間に無用の対立や不幸な事態に陥らないためにも、知事の毅然たる答弁を求めます。はっきりとお答えをいただきたいのであります。  次に、県庁舎跡地利用計画について伺います。。  県庁移転を二年後の平成八年十月に控え、移転先では三庁舎の杭工事や鉄骨組み立て工事等が急ピッチで進められております。県は庁内に須賀副知事をキャップとする県庁舎等跡地対策委員会を設置し、跡地利用計画案づくりを急いでいると報道されております。私は県庁移転が決定した直後から学識経験者はもとより地元の代表も含め広く県民の意見を聞き、仮称県庁舎跡地対策検討協議会なるものを早く設置し、跡地利用計画の策定に取りかかるべきであると訴えてまいりました。  鹿児島市の中心部の七千坪以上のまとまった県庁舎跡地の活用策は、県都鹿児島市の都市計画上も極めて重要な問題であります。また、県庁跡地は広く県民の財産ではありますが、地元にとっても活用策次第によっては死活問題にもつながりかねません。それほどこの問題は県民の関心事であり、広く県民の意見や大胆な発想も取り入れ、県政百年の大計に立った視点での検討が望まれるのであります。  県議会においてもこれまで数名の先輩、同僚議員が県民の意見の反映策等の手法の問題、あるいは各種の跡地利用策等についての具体的な提案もなされております。移転を二年後に控えた今、跡地利用計画策定に広く県民の意見を反映させるべきであるという立場から質問をいたします。  折しも地元の鹿児島新報は連載の中で、経済界を代表する方の次のようなコメントを掲載いたしております。すなわら、これまでの県のやり方を見ていると、跡地利用についても九〇%県で案を固めてから審議会などで了解をとるというやり方だ。役人だけの考えで果たしていい案ができるだろうか。一般市民、県民、商店街等も入れて、民間の意見も十分反映させるのが本筋だと述べておられます。県の跡地利用計画案、つくりの手法について不安と不満の声を代表しているように思えてなりません。  そこでまず第一に、庁内に設置されている県庁舎等跡地対策委員会の、これまでの検討状況と今後のスケジュールを明らかにしてください。  次に、さきにも述べましたが、警察本部跡地も含め県庁舎跡地は鹿児島市にとっては数少ないまとまった土地であり、鹿児島本港の背後地でもあり、同市の都市計画上、極めて重要な意味を持っていることは論をまちません。鹿児島市は、県の案が固まる前に市や地元の意見を聞く機会を設けてほしいと、これまで要望をしてきております。  そこで、これまで鹿児島市とどのような協議をしてこられたのか、今後どのような場を通して鹿児島市の意見や要望を反映させていこうと考えておられるのか、お示しをいただきたいのであります。  第三に、知事は今月記者会見で平成七年度には県民の意見を聞きたいと思っていると述べ、跡地利用検討協議会を設置する意向を示したと報道されております。そこで、検討協議会のメンバー選定の考え方、その設置時期についてお伺いいたします。  第四に、同じ記者会見で知事は、跡地利用でいろんな意見が来ており、平成六年度末までに整理を終えたいとも発言しておられます。発言から推察いたしますと、現在までに提出されている陳情や議会での提案、あるいはマスコミへの投書や県庁内の要望等の中で整理されるように思えるのでありますが、私は広く一般県民の意見も聞くべきであると考えます。県政百年の大計に立ったプロジェクトでありますので、提案箱を設置したり、アンケート調査を実施するなど県民の意向の反映に積極的に取り組み、意見の集約に努めるべきであると考えます。アンケート調査を実施する考えはないかどうか、お伺いをいたします。  第五に、検討協議会のあり方についてであります。  検討協議会は文字どおり各界各層の代表の方々が自由に協議し、検討し結論を出していくことが望ましいと考えます。そこで、対策委員会の一定の結論を検討協議会に諮るのではなく、できれば白紙の状態で意見を出し合い、集約していくことについて、その見解を承っておきたいと思います。  第六に、県議会でも数名の議員の方々が県勢の活性化、地域の発展に資する立場から具体的な提案がなされております。巷間生涯学習の拠点施設である県民大学中央センターを念頭に置いた検討もなされているやに仄聞するのでありますが、いかがでありましょうか。改めて跡地利用の基本的な考え方についてもお聞かせをいただきたいのであります。    〔知事土屋佳照君登壇〕 56 ◯知事(土屋佳照君)政界再編成の動きが進みます中で、一党のみで安定政権が困難な状況のもとでは、政策面での合意が得られれば連立による政権の樹立は、当然の一つの流れであると思っておりますし、細川政権以来最近の政権はすべて連立政権であったわけであります。今回、自民、社会、さきがけの三党派が政策をすり合わせて政権を樹立されたことも一つの政策選択であったと、私は思っております。  村山政権が発足して三カ月が過ぎようとしておりますが、新政権では対外交渉を初め国内的には景気対策、政治改革の仕上げ、税制改革など当面する政策課題に熱心に取り組まれていると思っております。今後ともこうした課題の解決に積極的に取り組み、我が国の繁栄や国民生活の充実に努力をしていただきたいと願っております。  また、地方の立場からは地方分権の推進など地方自治の思い切った充実強化を進めるとともに、国土の均衡ある発展と地方の活性化を図る観点から九州新幹線や高規格幹線道路など高速交通体系の整備を含め社会資本整備のための積極的な投資の傾斜配分等に取り組んでいただきたいと思っております。  次に、国、地方ともに大変厳しい財政状況の中で、本年度は当初予算におきまして財源不足に対処するため百四十億円の基金取り崩しを行ったところであり、また県債も社会資本の整備や景気対策のための公共事業等の確保、また昨年の大災害に伴う災害復旧事業の実施等によりまして、残高が増加してまいっております。  ただ幸い、現在までのところ県税収入については順調に推移しており、また普通交付税につきましても、当初予算編成時点で見込んでおりました額よりも四十八億二千四百万円多い二千六百二十二億四千八百万円を確保することができまして、何とか健全財政の基調は堅持できるものと私は思っております。今後とも厳しい財政状況の中ではございますが、総合基本計画の第二期実施計画に掲げる戦略プロジェクトや災害に強い県土づくりを初めとする諸施策に積極的に取り組んでいく必要があり、このためには引き続き地方交付税や国庫支出金等の充実確保、また交付税措置のある有利な起債の導入等を国に対し強力に働きかけますと同時に、既存の事務事業の見直し等により経費の節減を図るとともに、事業の重点化に努め健全財政を維持しながら各種の財政需要にこたえてまいりたいと考えております。  次に、シンボルマークは本県の魅力あるイメージを県内外に効果的に印象づけ、本県のイメージアップの先導的な役割を担うものであるという考え方から、鹿児島イメージアップ推進事業の一環として策定をいたしたものでございます。こういったことから、多くの皆様方の力をお借りいたしまして、制定以来全庁挙げてポスターや各種刊行物、封筒、名刺、職員記章などの各種素材への展開や鹿児島をPRするイベント、各種大会等での活用、また公的施設、空港、JR等でのシンボルマーク旗やポスターの掲示等を行い、これらの活動を通じまして本県のイメージアップを図っているところでございまして、九月補正予算案におきましても、国体での活用にかかる経費をお願いをしておる次第でございます。  今回のシンボルマークを直ちに県章にするかどうかということにつきましては、現県章も昭和四十二年の制定以来、県民の間に一定の定着を見ており、評価している方もおられますことから、これを直ちに変えるということには、なおいろいろな意見があるのではないかと思っております。そういうことでありますので、今後新しいシンボルマークをいろいろな場面で活用していく中で、県民の間にもある程度定着し、このシンボルマークを県章として位置づけていこうという機運が出てくれば、その段階で県章として位置づけることを考えたらと、こう思っておる次第でございます。  また、御提案のあった新しい県民愛唱歌につきましても、本県のイメージアップを図る上で意味のあることではないかと、趣旨は私も十分理解できるのでございますが、現在の鹿児島県民の歌についても、これもいろいろな場で使われており、愛着を持っている方もおられると思われますことから、今後県民の意向も探りながら考えてみたいと思いますので、いま少し時間をいただきたいと申し上げたいと思います。  次に、県政の推進に当たりまして、広く県民の意向を聴取しながら県政への反映に努めていきますことは、開かれた県政を推進していく上で基本的に極めて重要なことだと認識をしております。このため直接住民の方々と意見交換する知事対話や知事への便り、県政モニターの活用などいろいろな機会を通じて、こうした要請に対応しているところでございまして、結構率直な御意見もいただいてはおります。  また、職員に対しても対話と実行の県政、親切で清潔な行政の推進ということを県政推進の基本方針として掲げ、いろいろな施策の立案等に当たりましては、県民の声に十分耳を傾け、また事業の展開に当たっては、県民に対し十分わかりやすく説明を行うよう、かねがねその実施を督励をしてまいっております。  また、平成五年度に寄せられた要望書や知事への便りなどは六百七十七件でございますが、これらはその内容ごとに整理をし、関係部局にもつないで回答いたしますとともに、施策の立案や事業推進の過程で県政に反映されるよう努めているところでございます。  県民ファックスの設置につきましては、国のほか数県で実施しておるようでございまして、まさにこの最近の時代の展開にふさわしいような感じもするのでございますが、そういう今やっておられるところの実態をお聞きしますと、ほとんど実績が上がってないというようなことでございまして、それでどうというわけじゃございませんが、そういった他県の状況もございますもんですから、そういうことを参考にしながら今後の研究課題とさせていただきたいと思っております。  次に、桜島の場外船券売り場建設につきましては、事業者から県に提出のあった計画概要によりますと、桜島町赤水の国立公園特別地域及び県指定の名勝内において計画をされており、それらの管理上、極めて重要な問題であると思っております。このような施設につきましては、教育上の見地や交通問題、住民の生活環境の保全などの観点からも十分論議を重ねる必要があり、これまで県議会におきましても論議をされてきておりますが、県としましては国立公園の風致維持等の観点からも問題があると考えております。自然公園法及び県文化財保護条例等の趣旨に基づいて、誤りのない判断をしなければならないと思っております。  次に、県庁舎等の跡地利用につきましては、御指摘のように県庁舎等跡地対策委員会において利用に当たっての問題点とか、周辺地域の将来の方向など基礎的な調査研究を行っているところでございます。これまで出されたいろいろな意見等の分類整理を今進めているところでございますが、率直に申し上げて具体的な方向づけを私どものところでしておるわけではございません。県民の関心も非常に高い問題でございますので、こういった意見等を、こういうものが今までありますとお示しをした上で、本年度内にも県民の皆様の御意見を広くお聞きをする機会をつくりたいと考えて、その方法を今検討しておるところでございます。  県庁舎についても、ある程度のものができたときに、皆さんから相当御意見を投書箱に出していただいたりして、そして手入れをしたという実績もあるわけでございます。どうしたらいいか、そういうことを含めて今検討しております。そういうことをした上で、新しい年度に入ったら各界各層からなる協議会的なものを設けて、多角的な論議をしていただきながら利用案の集約に努めていきたいと思っておるところでございます。  鹿児島市とはいろいろな機会で直接市長とも話をしたり、また県市協議会等でもいろいろ意見は伺っております。ただ、こういう過程を踏まえてこの集約をしていくわけでございますので、今後の推移の過程で率直にまた意見は聞きながら進めていきたいと思っております。跡地利用の考え方といたしましては、周辺地域の地域性、将来像等に配慮しながら県勢の発展に役立つような、県民に喜ばれるような利用計画としてとりまとめていきたいと、かように考えております。 57 ◯総務部長(牧之内隆久君)国際火山総合センターにつきましては、そのあるべき姿や実現方策などを検討いたしますために、平成二年の一月に学識経験者からなります火山懇談会を設置をいたしまして、平成五年三月に報告をいただいております。その主な内容は、研究、研修情報の各機能を段階的に整備することが現実的であると設置主体は、基本的には国レベルで設置すべきであるということでございました。  県といたしましては、この報告書の趣旨を踏まえまして、各機能のうち当面研修機能の整備を先行させるという考え方に立ちまして、火山に関します国際的研修施設の設置につきまして、開促協等を通じまして国やJICAに要望を続けているところでございます。  なお、その際には県として協力すべきことがあれば積極的に取り組む旨もお伝えをしているところでございます。今後ともお話がございましたように、国際火山フォーラムなり、あるいは防災行政管理者セミナー、火山学・火山砂防工学研修、防災技術研修等を引き続き実施受け入れをいたしまして、環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 58 ◯保健環境部長(安達一彦君)場外船券売り場についてでございますが、桜島の場外船券売り場の建設計画につきましては、本年七月、事業者から国立公園の特別地域内において建設したい旨の意思表示があり、計画概要の提示を受けております。県では、建設予定地が桜島町の町有地であることから、先日町の意向をお聞きしましたところ、建設を推進する意向を示されております。本件につきましては、国立公園の風致維持上の観点からも支障を来すおそれがあると考えており、今後とも町の理解を得るための努力を続けてまいりたいというふうに考えております。    〔黒田清信君登壇〕 59 ◯黒田清信君 それぞれ答弁をいただいたわけでございますが、シンボルマークにつきましては、今私もこの県のシンボルマークの記章をここにつけてまいりました。なぜかと申しますと、少し小さいような気がしてなりません。県庁内の人たちがそれぞれ識別するのは、これでも十分なのかもしれませんが、県民の方々、そういう意味ではもう少し大きくてもいいのではないかなというふうには思っております。もともと私ども議員バッジが大きいからか、そういうのかもしれませんけれども、そういうふうに思えてなりません。  県章化につきましては、定着の度合いを見ながらということでございますので、適切な時期を選んで対処していただきたい。しかもCIということから考えますと、県章とシンボルマークと、何か二つあるような気がいたしますので、いつかの時点できちっと一本化するということが望ましいのではないかと、こういうふうに考えるわけであります。  県民愛唱歌の製作についてでございますが、かなり歌われているといいますか、知事、通告はいたしておりませんが、県民の歌を歌えますか、大体、知事自体がですね。(発言する者あり)わかりました。さすがだなとは思いますけれども、私自身は正直言って歌えません。そういう意味では、やはり歌う場というものをきちっとつくっていくということが必要だと思いますし、であるならば今の歌を本当に流布させるのであれば、そういう思いでやはりきちっと取り組んでいく必要があるだろうと。また、新しい時代を開く新しい鹿児島ということから考えますと、新しい愛唱歌をつくってということも、私は必要ではなかろうかと、こういうふうに思うところであります。  それぞれ答弁ございましたけど、時間の問題がございます。桜島の船券売り場計画についてではございますが、私は公営ギャンブルを否定しているものではありません。国立公園という桜島、世界に冠たる桜島、鹿児島のシンボルの桜島でやることはいかがなものかと、それを知事の口からはっきり明言をしていただかないと、今後大変困った事態に陥るのではないだろうかと、こういうふうに思う立場から言っているわけでございます。  県庁舎の跡地利用計画につきましては、来年度検討協議会をつくると。それまでに広く県民の意見を聞く場を設けるということで確認をしてよろしゅうございますでしょうか。そういう方向でより県民のオープンな議論というものを検討協議会にも反映をさせていただきたいと、このように考えておるところでもございます。  まだいろいろございますが、時間の関係で以上を申し上げまして、次の質問に入りたいと思います。  初めに、河川改修と総合治水について伺います。  多くの人命と県民の貴重な財産を奪った八・六水害集中豪雨から一年を経過いたしました。災害復旧が進んではおりますが、今なお無数に残る災害のつめ跡を見ておりますと、あの悪夢がきのうのことのようによみがえってまいります。通告をいたしておりました総合治水対策としての甲突川の上流の治水ダムや流域の遊水池、あるいは稲荷川の抜本策としての放水路計画、新川の抜本策としての田上ダムの建設予定等、既に代表質問で明らかになりました点については、重複を避けるため割愛をいたします。  また、甲突川の洪水解析と激特事業の根拠について、元建設省の土木研究所水文研究室長の木村俊晃氏が南日本新聞に寄稿された問題点についても、貯留関数法の流出率や洪水流量、あるいは基本高水や合理式での流出係数等については、先ほどの社会党の代表質問、あるいは先日の自民党の代表質問で土木部長から説明がありましたので、詳細についてはここでは割愛をし、委員会等で審査をしてまいりたいと思いますので、今回は次の三点に絞ってお伺いをいたしたいと思います。  まず、今回提案されている都市河川総合治水対策推進事業として整備する甲陵高校など四施設の雨水貯留量及び出水抑制効果をお示しいただきたいのであります。  次に、甲突川等にテレメーターを増設し、サイレンだけではなく、ハイテク等を駆使した音声による警戒避難放送システム、あるいは災害情報伝達システムを導入し、地域住民やドライバー等に迅速かつ的確に情報を伝達することが急務であると考えます。河川管理責任者の県と水防管理者の市が一体となった取り組みが必要であると考えますが、いかがでありましょうか。見解と取り組みをお聞かせいただきたいのであります。  第三に、今回提案されている新西田橋基本計画調査事業の具体的事業内容と県民の意向の反映策について明らかにしてください。  次に、海水淡水化事業について伺います。  この海水淡水化プラントについては、永田議員が六月議会で質問をされましたが、この夏戦後最高の猛暑、渇水状況を目の当たりにし、改めてその事業の導入促進を願う立場からお伺いするものであります。  日本列島はこの夏の大渇水で、東海、西日本を中心に一千万人以上が断水などの影響を受け、水を大量に使う企業の減産や操業停止も見られ、農作物被害は甚大なものがあります。工業用水を韓国などから輸入した企業もあると報道されており、極めて深刻な状況にあります。しかも、この水不足はことしに限った問題ではなくなってきているのであります。水洗トイレの普及を初めシャワーの使用の増加、核家族の進行などライフスタイルの変化や産業活動の拡大が水道使用量の増加をもたらし、それに近年の小雨傾向が重なり、数年に一度は渇水対策が叫ばれ、水不足は慢性化しているのであります。  ダム建設が適地不足や環境問題で進まない中、厚生省は深刻な水不足解消策として平成四年度からスタートしております海水淡水化事業を本格的に導入するため、来年度の概算要求に盛り込むことを決め、注目を集めております。海水淡水化はダム貯水に比べて季節や天候に左右されず、原料となる海水が無尽蔵にあることが最大のメリットであり、ダムが計画から完成までに二十年以上もかかるものもあり、工事費は規模によっては一千億円を超すものもあるのに比較し、淡水化施設は工期は三年程度、建設費用もかなり割安になり、山奥のダムから水を送る導水管の工事や浄水場の建設も不要となり、かなりの割安になるなどの利点があるとしているのであります。  しかし、利点だけではなく、課題も挙げられてはおります。一つは、ダムより割高になる維持管理費、ランニングコストをどうするかであり、もう一つは淡水化施設の仕組みにかかわる周辺環境、海域に与える影響についての問題であります。淡水化には逆浸透法、電気浸透法、蒸発法、あるいは透過気化法等が考えられますが、いずれも維持運転費用の半分以上が電気代であり、コストダウンのためごみ焼却発電施設の併設や太陽エネルギーの活用策等が検討をされているようであります。  そこで、水不足の解消は恵みの雨頼みという不安な現状から一日も早く脱却し、離島を多く抱える本県においても安定した水の確保が可能となるよう、海水淡水化の速やかな実施を強く望む立場からお尋ねをいたしたいと思います。  まず、平成四年度からスタートしている海水淡水化事業について、厚生省は本格的導入促進策として取り組もうとしております来年度の概算要求の概要をお示しいただきたいのであります。  次に、海水淡水化事業のネックの一つであるランニングコストの軽減策として、ごみ発電と並んで太陽エネルギーの活用策が望まれるのでありますが、現在与論町で実施しております太陽エネルギーを活用した海水淡水化システムの開発可能性調査事業の進捗状況をお聞かせいただきたいのであります。  次に、C型肝炎対策について伺います。  現代医学が長足の進歩を遂げているにもかかわらず、いまだに診断法や予防法を含んだ治療法の確立されていない難病、奇病が数多く存在をしております。後天性免疫不全症候群、すなわちエイズを初め特定疾患として難病に指定された疾病等でありますが、C型肝炎も確実な治療法が確立されていない疾病の一つでございます。手術等の際の輸血や予防接種等の注射針による感染が大半で、このC型慢性肝炎を放置しておきますと、肝がんか肝硬変で死に至る可能性が非常に高い難病であります。  ところが、平成三年よりインターフェロンの臨床効果が認められ、肝生態検査で活動性C型肝炎と判断された場合、インターフェロンの投与を受けられ、病状の進行をおくらせることができるようになり、患者にとっては大変な朗報であります。  しかし、インターフェロンの投与は、六カ月間は保険の対象となっておりますが、その後もインターフェロンの投与を希望しても保険の対象外で、全額自己負担となり、大変な出費で悩んでいる患者の方がたくさんおられると聞いているのであります。全額自己負担だと一本約一万円のインターフェロンを週三回で、月に十二本か十三本ぐらい投与しますと十二、三万円ぐらいの出費となり、直接家計を圧迫してしまうのであります。放置しておきますと死に至る可能性が極めて高く、まさに八方ふさがりで、極めて憂慮すべき状況にあると考えます。  そこで伺いますが、一説によりますと全国でC型肝炎患者は二百四十万人にも上り、本県でも七万人ぐらいおられるとも言われておりますが、本県の患者の実態についてお示しをいただきたいのであります。  次に、六カ月後、すなわち二回月以降の投与は保険給付の対象とはなっておりません。県費での助成があれば二回月以降も投与を継続したいという方が多くおられるようであります。東京都のように助成をしているところもあるようでありますが、本県でもぜひ県費助成を二回月以降の投与に検討してほしいと思うのでありますが、見解をお伺いいたします。  次に、県立高校の授業料の納付に郵便局の口座引き落としを活用することはできないかということについてお伺いをいたします。  私は先日奄美に行きましたとき、次のような相談を受けました。長男は鹿児島市の県立高校に行ってますが、授業料を高校に納入するのに、自分の住んでいる集落からわざわざ遠くの鹿児島銀行まで入金のため毎月出かけなければなりません。口座引き落としですから余裕があれば毎月入金に出かけなくてもいいのですが、そうもいかず、バスの便もなく、大変困っております。郵便局はすぐ近くにあるのですが、郵便局は許可になっていないのですよ。郵便局の口座引き落としが使えないのは、なぜでしょうかねというものでありました。  早速鹿児島市の県立高校に尋ねてみました。すると、確かに郵便局を除く各金融機関の中で、学校長がPTAと相談して決定しているとのことでありました。郵便局を除外している理由はその高校でははっきりしませんでした。県の自動車税の納入には郵便局も利用しているのに、なぜ郵便局を除外しているのか、理解に苦しむところであります。各金融機関の県内の店舗数は、ちなみに鹿児島銀行が出張所、代理店まで含めまして百六十一店、農協のオンライン店舗が四百六店で、郵便局は簡易特定まで含めますと七百二十三店もあることがわかりました。
     そこでお伺いいたしますが、郵便局は利用店舗数も多く、納付する県民にとって一番身近であります。今後郵便局の口座引き落としを活用し、県民の利便の向上に資する考えはないか、伺うものであります。あわせて、これまで郵便局を活用してこなかった理由と課題をはっきりさせていただきたいと思うのであります。 60 ◯土木部長(奥田 朗君)今回都市河川総合治水対策推進事業の中でモデル的整備として実施いたします四カ所の雨水貯留施設の貯留量は、甲突川流域につきましては、郡山町総合運動公園の整備に伴う調整池が約二万五千トンと。甲陵高校の下流の谷に建設いたします貯留施設が約一万九千トンでございます。また、稲荷川流域につきましては、校庭貯留施設として鹿児島東高校が約一千トン、県警察学校が約二千トンでございます。これらの出水抑制効果は、甲突川流域では二カ所で約四万四千トンの出水量があると。そしてまた稲荷川流域では二カ所で約三千トンの出水量がそれぞれ貯留され、河川への流出が抑制されるほか、特に施設直下流の水路等の温水を抑止できるなどの効果が見込まれます。  次に、河川の水防情報につきましては、甲突川など水防警報発令河川を中心にしまして水位、雨量、テレメーターや電話応答式の水位計などを設置し、市町村等の水防管理団体に適切に伝達しているところでございますが、昨年の集中豪雨を教訓にしまして、今年度からは適時的確な情報の収集伝達体制の確立を図るために厳しい自然条件等、本県の河川特性に適したところの河川情報システムを検討しております。この中で今後、水位計と避難勧告等が連動しましたこのシステムにつきましては、音声による警戒、避難放送システム導入を含めまして、関係市町村とも協議しながら調査研究してまいりたいと存じます。  次に、新西田橋の基本計画調査事業でありますが、新しくかける西田橋を甲突川やその周辺を含めた総合的な景観に配慮し、鹿児島のシンボルとなるような橋といたしますため、橋梁のデザイン等の基本計画策定を行うものでございます。この基本計画策定に当たりましては、県民の意向を十分反映させるために、景観や橋梁構造等の学識経験者でありますとか、市民有識者等で構成される──これは仮称でございますけれども──新西田橋デザイン検討委員会というものを設置することといたしておりますが、一般の方々からは例えば橋梁のイメージ図等を提案していただく方法でありますとか、パース図を示しまして意見を承る等の方法が考えられまして、具体的には検討委員会の中で今後検討していきたいと、このように考えております。 61 ◯保健環境部長(安達一彦君)海水淡水化事業についてでございますが、本県におきましては平成二年度に小規模ではございますが、十島村の子宝島に簡易水道等にかかわる国庫補助事業による海水淡水化施設が導入されております。  また、上水道の海水淡水化施設につきましても、議員御指摘のとおり、平成四年度から国庫補助の対象事業として認められております。厚生省の平成七年度予算の概算要求におきましては、当該補助事業の国庫補助採択基準の緩和、あるいは補助率の引き上げ等により、海水淡水化施設の積極的な推進を図ることとしていると聞いております。  次に、C型肝炎対策でございますが、厚生省の調査によりますと、C型肝炎ウイルスの抗体保有者、いわゆるキャリアと呼ばれている人たちでございますが、これが人口の一から二%程度いると推定されております。本県におきましても、同程度の抗体保有者が存在するものと考えられております。そのうちの一部の方々が発症してC型肝炎患者になるわけでございますが、本県における具体的な患者数につきましては、報告制度やあるいは統計資料がないということから把握しておりません。  次に、県独自の助成についてでございますが、健康保険制度におきましては、インターフェロンの投与期間につきまして、その臨床効果あるいは副作用の程度を十分考慮した上で給付対象期間を六カ月以内としているわけでございます。保険給付の対象外となるインターフェロンの投与についてこのようなことから、県独自の助成を行うということは困難であるということを御理解をいただければというふうに思っております。 62 ◯企画部長(吉留史郎君)太陽エネルギーを活用いたしました海水淡水化システムにつきましては、与論町が水確保対策の一つといたしまして、その事業化の可能性を探りますために国の補助を得まして、本年七月から調査を実施しているところであります。  現在一般に実用化されております逆浸透法等によります淡水化システムにつきましては、相当の初期投資やランニングコストを要しますので、今回の与論町におきます調査につきましては、海水を太陽熱で蒸発させまして、新たに開発されました浸水性プラスチック板で水蒸気を集めまして、また同時に雨水の取水も行う方式でありまして、比較的簡易で低コストの海水淡水化システムの構築を目的としたものでございます。  これまでの実験データによりますと、当初期待したほどの結果が出ておりませんので、現在専門家等の意見も聞きながら、さらに効率を高めるために実験装置の改良等に取り組んでおられるところでございます。今後、改良された装置によりまして実験を続け、データの蓄積を行いながら当システムの具体的な事業化を図る場合の概念設計、あるいは採算性等の検討が行われることになっております。 63 ◯教育長(有馬 学君)現在授業料の口座振替等ができます金融機関といたしましては、県の会計規則に基づきます公金の収納事務を取り扱う金融機関を県教委といたしましても、取扱金融機関として指定をいたしております。郵便局の場合、公金が収納されてから県に納入されるまでの処理日数が長くなることや取扱手数料が必要なことなどから、県においても公金収納機関としての指定を見合わせておりますので、県教委といたしましても同様な取り扱いをいたしておるところでございます。    〔黒田清信君登壇〕 64 ◯黒田清信君 それぞれ答弁いただきました。  時間が余りありませんので、海水淡水化事業につきましては、特にランニングコストを軽減をするという意味で太陽エネルギーの活用という実験をなさっていらっしゃるわけでございますが、そういう意味では奄美等、非常に断水に悩んでいるところも実際にあるわけでございますので、例えば沖縄等では国庫補助事業、沖振法で八割五分から九割ぐらいを国が補助しているという実態にございます。そういう意味では、奄振法でこの補助率のかさ上げ等についても、やはり県としても取り組んでいく必要があるのではないだろうかと、こういうふうに思います。安定した水を確保するため、恵みの雨待ちではない積極的な取り組みを県としても取り組んでいく必要があるのではないかというふうに考えております。  C型肝炎につきましては、私ももっと勉強してみなきゃいけませんけれども、具体的にこの県費、あるいは東京都等でも、その補助をしているところもあるようでございますので、これははっきりしたわけではございませんけど、さらに勉強もさせていただきまして、今後もこの問題について追求してまいりたいと思いますが、県でだめなら国に要請をしていくということも、やはり必要ではなかろうか、こういうふうに考えるところでございます。  公納金の郵便口座引き落としにつきましては、公金取り扱い、先ほど言いました自動車税は郵便局を使っております。この辺とのどういうふうなことになるのかというのが一つ。  それから処理日数がかかるということでございますが、私調べてみました。郵便局の口座振替を使いますと、貯金センターに入りますのに一週間ぐらいかかるということです。高校でも採用しているのは、いわゆる銀行等の預金から口座引き落としということでございまして、このような郵便局の口座引き落としをしますと、少なくともその次の日には入りますということで、明言をしておりますので、その辺も検討をしていただきたい。  それから手数料がかかるということであります、確かにかかるんです。郵便振替法第五十八条によりまして、そういうことがわかりました。ただし十円でございます、この手数料というのは。そういうことからしますと、やはり何と言いますかね、バスに乗ったり車に乗ったりして行くこと等を考えますと、一件につき十円等は県で負担をするとか、あるいは利用者に十円は上乗せをしてというようなこと等も、検討していけば私はできるんじゃないかと。県民の利便性を図ると、そういう意味からもぜひ検討をしていただきたいと、このように思うわけでございます。さらには金利の自由化ということで、各金融機関も手数料をとる方向に動いているようでもありますので、この際ぜひ見直しをしていただいて、県民の利便性に資していただきたい、このことを強く要望いたすところでもございます。  いろいろございますが、時間の関係もございますので、以上で公明党議員としての私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 65 ◯議長(鶴田辰巳君)次は、松村武久君に発言を許可いたします。    〔松村武久君登壇〕(拍手) 66 ◯松村武久君 今は亡き橋口議員、日高議員のありし日を忍びつつ、謹んで哀悼の意を表し、改めて心から御冥福をお祈り申し上げます。  県職員の収賄容疑による逮捕事件など、大変暗いムードに包まれた九月県議会でありますが、目をスポーツに転ずれば、各位御発言がありますように、樟南高校の準優勝の偉業は県民をテレビにくぎづけにし、永遠に高校野球史に残る熱戦であったと思います。知事には大変失礼なことを申し上げるようでございますが、歴代知事が応援に行くと必ず負けるとのジンクスがあることを、確かどっか青潮会だったかな、あのあたりで耳にしておりますが、まさかそんなことはないだろうと思っておりましたが、残念ながら現実のものとなってしまってジンクスの怖さを痛感したところでございますけれども、しかし次は優勝の目標が残っておりますので、知事としても責任を感じることはないと思います。  また、先ほど黒田議員も触れられましたように、本県議会の全国優勝も本県議会野球史上、永遠に語り続けられる偉業ではなかったかと思います。溝口監督を中心に、選手の御健闘をたたえつつ、全国各議員との情報交換ともなり、県勢発展に貢献する県議会野球大会の意義を十分に発揮されるとともに、議員の健康増進はもとより、本県スポーツ振興にも寄与されたものと存じ、改めて心からおめでとうと申し上げる次第であります。ただ、残念なことは、私ごとで恐縮ですが、私は毎回出場いたしておりましたけれども、今回は練習試合の際にけがをした後遺症で出席できなかったことが、今でも残念でなりません。  さて、昨年屋久島が世界自然遺産として登録されたことによりまして、屋久島の自然環境を守りつつ、島民の生活と福祉の向上を図るため、必要な事項を協議検討し、必要とする施策を実現させることを目的として、超党派による屋久島議員連盟が発足され、去る九月六日、七日の両日にかけて現地視察を行うとともに、上屋久、屋久両町の行政並びに議員の皆さんとの懇談の場も設けられ、両町の皆様が世界遺産に登録されたことによる幾多の御懸念があることを痛感したところでございます。屋久島は、屋久島の宝であるとともに、鹿児島県の宝、日本の宝、世界の宝として大事に大事に保存し、後世に引き継ぐべく貴重な貴重な遺産となった以上は、県はもちろん、国としても応分の負担や施策を講ずるべく今後超党派の国会議員による屋久島議連の構築に向けて努力しつつ、政府への陳情活動も展開してまいる所存でございます。土屋県政においても、県政の重要課題としてとらえ、積極果敢なる対応に努められるよう強く御要望いたし、一般質問をさせていただきます。  第一は、鹿児島市の都市河川の総合治水対策についてでございます。重複を避けまして質問をいたします。  その一点として、流域対策についてでありますが、今回計画しているような貯留施設の整備について、七年度以降どのような整備計画と考え方を持っておられるか、明らかにしてください。また、流域対策としては、今回のような公共施設を利用した雨水貯留のほかに、少量ずつではあっても可能なものを積み重ねる考え方、ちりも積もれば山となるの格言のように、例えば流域内の各戸貯留方式もありますが、これを推進する考え方はないのか。県、市の行政側の支援措置が必要と思うのですが、御検討を進めてもらえないものか、お伺いいたします。  次に、石橋の移設復元地の検討状況についても触れられておりますが、まず現在、移設復元地選定委員会において移設先の検討がなされ、複数の候補地が上がっているとのことであります。これまでの審議の経過と検討されている候補地の状況など、さらに審議の概要について明らかにしていただきたいと思います。  次に、移設復元する場合、流失してしまった二橋の再築造を含め、五石橋をすべて一カ所にまとめ、周辺の環境整備なども十分行って、県民はもとより県外観光客にも親しまれるよう、歴史、石橋、公園もしくは三五郎公園的なものとして整備すべきと考えますが、知事の御所見はいかがでしょう。  第二は、農政問題についてお伺いいたします。  その一点として、畜産農家対策についてでありますが、畜産農家は価格の低迷傾向と合わせて、公害防止のための施設整備などに要するコスト増により、経営を大きく圧迫されております。今回の補正においても畜産特別資金利子補給事業の貸し付け終了の延長などの改善も見られますが、公害防止施設への支援策が畜産県の視点に立ったときに不十分ではないか、もっと思い切った支援策を望むものでありますが、いかがでしょう。今日までの支援策は十分効果が出ているのか、これで十分と考えておられるものか、あわせてお伺いいたします。  二点目は、和牛など国内産の畜産物が輪入ものよりも安全で質がよいことを行政側でも消費者へもっとPRすべきでありますが、PRの現状とその効果をどのように評価しておられるか。また、今後のPRのあり方についてもお聞かせください。例えば、大規模な畜産祭とか試食会などの大イベントを開催するなど、畜産県として県内外へのアピールが必要ではないでしょうか。  次に、魅力ある農業、農村づくり対策についてでございます。これから魅力ある農業、農村対策を進めていく上では、規模拡大の推進や後継者対策、中核となる担い手農家の育成など、さまざまな課題が山積しておりますが、一方奥州などで行われている農家と観光をセットとした農村振興、生産と即売、観光振興と直結した方策に対し、県としても支援策を講じ、食料基地県としてのイメージと観光県としてのイメージを、口先だけでなく、行政、農家あるいは観光業界との三位一体となった意欲的な取り組みがぜひとも必要であると考えますが、いかがでしょうか。県としてもグリーンツーリズムの取り組みがなされておりますが、これの評価と問題点を明らかにしてください。さらに、その普及促進対策についてもお示しください。  次に、農業の担い手確保対策として、県内での後継者確保対策だけでなく、県外に目を転じ、大都会の非人間的生活に嫌気が差しほとほと疲れ果て、自然の豊かな農村で農業や畜産に従事し、人間性を取り戻したいと願っている大都会のサラリーマンや自営業者、事業家の方々は、その受け皿を農村に期待しているようであります。温泉もあり、温暖な鹿児島の農地への就農の機会を心待ちしている向きもありますので、発想を転換し、どこかモデル地区を構築し、パンフレットをつくり、東京、大阪、名古屋の事務所で公募してみたらいかがでしょうか。私のアイデアについて、知事並びに農政部長の御所見を求めたいと思います。  第三点は、県庁舎問題について意見要望を含め、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  通告一覧表では県物産館となっておりますけれども、質問の要旨としましては、県物産観光センターとしての提言でございますので、あらかじめ御了解を願いたいと思います。さて、県庁舎跡地については、知事は平成七年度には各界各層からなる協議会を設置し、県民の意見を聞いた上で最終の利用案を示したいと述べておられますが、跡地利用について私どもの考え方は以前にも申しましたように、地域の信仰や跡地周辺の状況、住民のニーズなどいろいろ考え合わせると、全体を公園的なものに整備し、その中に本県の特産品など観光物産を一同に紹介できる施設、すなわち県物産観光センターを建築し、イベントや軽スポーツも行える多目的屋外ステージなども整備して、上町地区の振興にも資するよう、また県内外の多くの人々が集積する場所として大型バスの駐車スペースも確保するなど、県民や県外観光客もここを中心に周辺の文化施設なども散策できるような対策が望ましいと考えるものですが、知事はいかがお考えでしょう。特に、県観光物産館建設構想については、総合基本計画にもございますし、今日まで自民党の田原議員、前田議員、社会党の二牟礼議員からも同様な提言がなされております。先日の尾辻議員の方からの自民党代表質問でも同様な趣旨の御要望があったように思います。知事御自身の御所見をお聞かせください。知事がコメントできないとするなら、せめて跡地利用決断の際に十分に私が今申し上げたことを参考にする旨、一歩進んだ御答弁を期待いたす次第であります。    〔知事土屋佳照君登壇〕 67 ◯知事(土屋佳照君)農業の新たな担い手の確保対策につきましては、県外からの新規就職希望者に対する相談窓口といたしまして、平成四年十一月に県外事務所に設置した新規就農相談所や就農セミナーにより就農相談活動を実施いたしますとともに、全国就農情報誌に本県農業農村の幅広い紹介をするなど、私どもとしては積極的なPR活動を続けているつもりでございます。これまでに二十代から三十代を中心に、四十七名の相談を受けているというのが実情でございます。こういった方々の就農を支援する措置といたしまして、農業後継者育成基金によりまして、営農生活資金の助成や技術習得研修期間中の研修手当の貸与を行っているわけでございます。また、加世田市、和泊町など市町村が実施している技術経営研修に対しましても、研修手当の助成をするなど新規就農者の円滑な就農促進に努めているところでございます。私も、昨年からこういった営農資金等の助成等には直接知事室に来ていただいて、直接いろいろ激励をしてやっておるわけでございますが、昨年は東京の日野市から全く農業経験のない御夫婦が伊仙町の方に移られました。話を聞いても大変力強い話でございまして、やはりいろいろなことをやれば、今後はそういった方向へ行かれる方も多いんだなと、私も意を強くした次第でございます。こういった面には、さらに力を入れたいと思っております。  なお、近年農業大学校への入学者や新規就農者も増加傾向にありますので、若者や新規参入者にとって魅力ある農業経営づくりができますよう、さらに市町村、農協、関係団体と一体となって地域の受け入れ態勢の整備に努めてまいりたいと思っております。  次に、県庁舎の跡地利用につきましては、跡地対策委員会で、これまで出されたいろいろな意見等の分類、整理を進めておりますが、県民の関心も高いので、本年度内にも県民の皆様の御意見を広くお聞きする機会をつくりたいと考え、その方法を今検討しておるところでございます。その上で、新しい年度には協議会的なものをつくって、各般の御意見を伺いながら利用案の集約に努めていきたいと思っております。こういった進め方をしたいと考えておりますので、ただいま御提言のあったことにつきましては御意見として承り、今整理、分類をやっておりますが、その対象に加えさせていただきたいと思っております。 68 ◯土木部長(奥田 朗君)学校、公園等における雨水貯留につきましては、本年度都市河川総合治水対策推進事業の中で、河川ごとにどのような整備を行うか具体的に検討しております。また、本県での実施に当たりましての工法でありますとか効果を評価いたしますとともに、市や町の取り組みを促進するためにモデル整備事業を実施することにしております。流城対策の施設整備につきましては、基本的には市町村が主体となって取り組むべきものと考えておりまして、平成七年度以降につきましては、本年度の成果を踏まえながら計画的な整備ができますように、鹿児島市など関係する市町と協議してまいりたいと存じます。  それから、各戸貯留の件でございますが、各戸貯留は流域住民が自主的に行う雨水の流出抑制といたしまして、また住民が治水に直接かかわる参加型として重要な流域対策であると考えております。現在、都市河川総合治水対策推進事業の中で、流城対策の一つとして各戸貯留につきましても検討を行っておりまして、その結果を踏まえ、鹿児島市など関係する市町と、どのように実施していくか協議してまいりたいと思っております。また、各戸貯留に対する行政側の支援措置につきましては、全国では地下水の涵養を兼ねた地下浸透タイプの施設に対しまして、市町村による助成の事例はございますが、行政側の助成導入につきましては、市町村の判断によるものと考えております。  次に、石橋の移設復元地につきましては、学識経験者や市民有識者等で構成されます甲突川石橋移設復元地選定委員会におきまして検討が進められております。委員会は、これまで三回開催されまして石橋の歴史的、文化的価値が生かされ、県民、市民のだれもが訪れやすく、観光客にも親しまれるような場所等を基本的な考え方といたしまして、祇園之洲公園でありますとか、天保山公園などの十カ所が候補地としてリストアップされ、現地調査等も行われました。今後、二回開催されます委員会におきまして、候補地を絞り込み、十一月には提言をいただきまして、できるだけ早く移設復元地を決定したいと考えております。石橋の復元につきましては、残された三つの橋を対象に検討が進められておりまして、石橋を一カ所にまとめるのか、分散するのか等につきましては、現地調査の結果等を踏まえまして、今後の委員会で検討されることになっております。また、移設復元地が決まりますと、石橋にふさわしい環境となるよう周辺の整備も行いたいと考えております。なお、流出した武之橋、新上橋につきましては、鹿児島市の所管でありまして、その取り扱いにつきましては、鹿児島市の意向を尊重してまいりたいと思っております。 69 ◯農政部長(林 孝生君)まず、畜産環境保全対策についてでございますが、これまで補助事業、制度資金、機械や装置を貸与いたしますリース事業等を活用いたしまして、処理施設の整備を促進してまいりました。しかしながら、いまだ公害防止対策が十分でない経営体もございますので、今後さらにこのような事業を積極的に導入する一方、耕種部門との連携によりまして、家畜ふん尿の有効利用につきましても一層の取り組みをしてまいりたいと、かように考えております。しかし、御指摘にございましたように、今後畜産の経営環境は厳しさが予測されますので、畜産農家の生産コストを引き下げるためにも国に対し事業費枠の拡大とか、補助率の改善、採択基準の緩和等について、さらに強く要請をしてまいりたいと考えております。  それから、和牛等のPRでございますが、鹿児島ブランドとして指定いたしました鹿児島黒牛、黒豚のイメージアップや消費拡大を図りますため、黒牛、黒豚販売促進協議会と一体となりまして、宣伝販売等の実施、全国農林水産祭におきます出店販売、大消費地の指定店への販売促進資材の提供等を行いますとともに、昨年は新たに新宿の例えば京王プラザホテルで、ホテルと一体となって食の創造フェアーも実施をいたしております。そのほか、鹿児島の夕べとか、また県内ではふるさと農林水産祭での試食会などPR活動に取り組んでおります。このような取り組みによりまして、指定店とか県外大手量販店の取り扱い量が増加するなどの成果が出てきておりますが、新たに今年度は量販店のニーズとか流通の実態調査を実施いたしまして、この結果も踏まえまして、関係機関と一体となって、さらに効果のある販売戦略を展開したいと考えております。  次に、グリーンツーリズムでございますが、農産漁村の自然や文化に触れ、地域の人々と交流を楽しむ滞在型の余暇活動を推進するものでございますので、地域の活性化を図る上で有意義なものと考えております。本県では、平成五年度から入来町において個性的で魅力的な生き生きとした地域づくりを目指し、ハード、ソフト両面から整備を進めるための調査を実施しておりまして、本年度中にモデル整備構想が策定されることとなっております。県下各地におきましては、いろんな構造改善事業を、その他のいろんな事業を導入してのバンガローとか体験農場など、農村地域の豊かな自然を生かした各種の施設整備が進められておりますので、その活用も念頭に置いて、今後入来町や全国の取り組みをも参考にしながら、このグリーンツーリズムの定着が図られるよう、市町村と一体となって取り組んでまいりたいと存じます。 70 ◯松村武久君 土木部長に恐縮ですが、一点だけ確認をさせていただきます。先ほど、社会党の二牟礼議員の代表質問で、三回開催された移転地選定委員会の審議の中に、移転地選定に当たって基本的な考え方が議論されたと。それは、今御答弁になりました観光客にも親しまれるような云々ということなのでしょうか。もう少し基本的な考え方を、もう一回恐縮ですがお示しください。 71 ◯土木部長(奥田 朗君)この石橋復元地選定委員会、過去三回行われまして、その一回目、二回目でこの基本的考え方を検討され、集約されたわけでありますが、その基本的な考え方は、いずれにしましても、この石橋が架設された時代背景や岩永三五郎の志も踏まえた上で、この石橋の歴史的、文化的価値が生かされることでありますとか、地理的に県民、市民のだれもが訪れやすく観光客にも親しまれるような場所であるのが望ましいでありますとか、また安全な場所でなければならないというようなこと、それからやっぱり水のある場所に移設復元すべきじゃないかといったようなこと、それから岩永三五郎にゆかりのある場所がいいんじゃないかとか、そういったようなことで、そういうようなことを判断項目にいたしまして、移設の復元地の選考を行って、石橋にふさわしい環境の場所に移設したいと、そういうことになっておりまして、先ほど申し上げましたように、今のところ十カ所ぐらい、祇園之洲公園でありますとか、天保山公園でありますとか、鹿児島本港区でありますとか、そういった十カ所が今現在リストアップされておりまして、今後その候補地の絞り込みが行われるということになっております。    〔松村武久君登壇〕 72 ◯松村武久君 流域対策における雨水流出抑制対策として、熊本市では自然池を対象に一設置箇所に八千円の補助金を、山形市ではあらかじめ対象地域を定め、一基について四万円を限度として設置費用の二分の一以内の補助金を支給、越谷市では公共水道の使用により、不用となる浄化槽の雨水貯留施設への転用として一律三万五千円の補助制度を確立するなど、流出抑制に市が積極的に取り組んでおりますので、この点について鹿児島市への要請を行うよう強く御要望いたしておきます。  石橋の移設復元につきまして、基本的な事項を五点伺いました。私も全く同感でございますので、ぜひそのような基本方針のもとに文化財として、あるいは歴史遺産として永久に保存できますように期待するところでございます。よろしくお願い申し上げます。  さて、肉用牛の飼養動向を調査してみますと、昭和五十年を一〇〇として十年後の平成五年を比較してみると、全国は一五九%、本県は一三九%と全国よりも二〇%も低い状態でありまして、養豚では全国が一四〇%、本県は三六二%と大きく伸び、ブロイラーについては全国が一五四%の伸びに対し、本県は二一七%とそれぞれ増加しております。したがって、この数値が示すように、肉用牛に対する積極的支援策を県単独事業として、さらなる御努力を特にお願いを申し上げておきたいと思います。  魅力ある農家、農村づくりについても、既成概念にとらわれるなという格言もありますように、発想の大転換を図り、大都会に住み、第二の人生を自然の豊かな農村で、人間らしい生活をしたい方々のニーズを調査するなどの調査事業の展開を行ってみてはいかがでしょうか。そして、市町村や農協とタイアップして受け皿づくりに努めていただけたらと思います。  次に、県庁舎問題については、知事の私の意を体してのありがたいお言葉をいただきましたので、大変心うれしく思っているところでございます。もう申し上げません。  次に、質問の第四は、入院時における食事療養費の負担問題についてでございます。今回の医療保険制度の改正により、入院時の食事にかかわる保険給付の見直しが行われ、診療などの療養給付から分離して入院時食事療養費として給付されるとともに、在宅患者との均衡を図る観点から、患者の一部負担が一日当たり六百円を別途支給せざるを得なくなりました。これに伴って、県単独事業として行っている重度心身障害者医療費助成事業及び乳幼児医療助成事業について、県は入院時食事療養費にかかわる患者負担分を、公費助成の対象とはしないという方針を決めたとのことでありますが、全国では十二都県において公費助成の対象とする方針と聞いております。社会的弱者救済の立場や少子化社会問題への対応を考えますときに、広い意味での政策的配慮から本県でも単独事業の公費助成を行うなど、ぬくもりの配慮を土屋県政に強く御要望いたすものでございますが、いかがでしょうか。前向きで思いやりのある御答弁をお願いいたす次第であります。  第五は、先ほど黒田議員からもありましたC型肝炎対策についてお伺いいたします。本県でも一説には七万人ぐらいの患者がいると言われていますが、正確な実態はわかっていないとのことであります。県民の健康を守るという視点に立つとき、この問題は放置できない問題であると考えます。黒田議員との重複を避けまして、次の二点に絞って伺います。  まず、すこやかな郷土、ゆとりの文化圏域づくりと言われます。県政としてもこのC型肝炎問題については、重要な関心を寄せていただきたいものでございますが、どのように認識をしておられるか伺います。実態がよくわからないということであれば、まず詳細な実態把握に早急に取り組むべきと思いますが、いかがでしょうか。  最後に、インターフェロンの効能については評価が分かれているような話も聞きました。県はこのインターフェロンの効果についてどのように認識しておられるか。国の中央薬事審議会では、有効という判断が出ていると聞きますが、いかがでしょうか。  最後に、商工労働行政について数点伺います。  まず一点は、中小商工業者などに対する経営指導についてであります。現在、県内各地の商工会が行っております経営指導、経営相談の状況について、その指導、相談の内容と商工会ごとにみて何か特徴があるのか否か伺います。あわせて、商工会ごと、すなわち地域別の倒産状況はこの数年どのような傾向にあるものか伺います。  二点目は、融資制度の利用状況についてであります。中小商工業者に対しては、さまざまな融資制度がありますが、この状況はどのようになっておりますか。利用者のニーズに的確にこたえ、十分活用されているものかどうか伺います。  三点目は、人材確保対策についてであります。中小企業者、中小商工業者のこれからの経営安定を図るには、企業は人なりと言われます。若者を中心とした人材確保が非常に大事であると思いますが、これらについての県のお取り組みはどのようになされているか伺います。中小商工業者は経営基盤が零細なため、自前で研修センターや福利厚生施設の整備が困難でございます。そのため、有能な人材の確保がスムーズに進まないという面もございます。したがって、このたび鹿児島市の行政としてソフト面の対応でありますが、勤労者福祉サービスセンターが設置され、国、県、市の施設が有効に活用されていることは、ソフト面とハード面の一体化がなされており、まことによろこばしいことでございます。そこで、連合鹿児島からの御要請もなされておりますように、大隅地域や奄美地域に対しても、サービスセンターのニーズが高いのでございます。今後は県下各地においてこのような人材育成の確保の視点から、県としても積極的な対応が望まれるところでございますが、知事並びに商工労働部長の意のある前向きの御答弁をお願いしたいと思います。  最後に、パート労働者の雇用実態についてでございます。パート労働者は好不況の調整弁とも言われ、使用者側にとっては非常にありがたい存在であろうと思いますが、その反面、パート労働者は不安定な心理状態で労働を提供せざるを得ない実態にあります。パート労働法のもと、一応の処遇の確保はなされているものの、幾多の問題も派生していると思います。本県におけるパート労働者の雇用条件などを含む雇用の実態をどのように把握しておられるか。また、その問題に対する県としての取り組みの状況はどのようになされておるか、明らかにしていただきたいと思います。 73 ◯県民福祉部長(岡元杉夫君)今回の健康保健法等の改正によります入院時食事療養費が創設されまして、入院時の食費の一部を患者が自己負担することになりましたが、重度心身障害者医療費助成事業及び乳幼児医療費助成事業におきましては、この自己負担分について、一つには法改正の趣旨が入院時の食事について、家庭でも要している程度の負担をお願いすることによりまして、入院と在宅における負担の公平化を図ることにありますこと。  二、身体障害者の障害を軽減し、または除去するための、例えば人工透析などの医療や慢性疾患を有する小児の健全な育成を助長する、例えはぜんそくなどの医療など、特定の政策目標を満たすための医療につきましては、公費負担の対象とされておりますこと。  三、低所得者の自己負担についての軽減措置が取られていることなどを総合的に勘案いたしまして、助成の対象としないこととしたところでございます。  なお、障害者対策や少子化対策は、医療費助成のみならず、総合的な見地から検討されるべきものと考えておりまして、障害者対策については障害者基本法に基づきまして、新長期計画を今年度中に策定することといたしております。また、健やかに子供を生み育てることにつきましては、今議会に予算をお願いしております健やかに子供を生み育てる環境づくり推進事業で、現在国で検討いたしておりますエンゼルプランとの整合性も図りながら、本県にふさわしい子育て支援のための施策の検討を行うことといたしております。 74 ◯保健環境部長(安達一彦君)C型肝炎に関してでございますが、本県におきましても全国と同程度の抗体保有者が存在するものと考えられているわけでございますので、適切なC型肝炎対策を進めるということは重要な問題であると認識しております。実態調査につきましてでございますが、C型肝炎患者の実態等につきましては、厚生省におきまして非A、非B型肝炎研究に関する検討会が設置され、また厚生省の研究班によりまして、C型肝炎のより詳細な抗体保有者の実態把握、あるいは感染経路の究明など疫学的な調査研究が進められております。本県におきましては、今後ともその動向を見定めながら対応してまいりたいというふうに考えております。  次に、インターフェロンの効果についてでございますが、インターフェロンは平成四年に国の中央薬事審議会におきましてC型肝炎の治療薬として承認されており、用法、用量、それから使用上の注意といったことを重視していただければその効果は十分あると認識しております。しかしながら、最近その副作用といたしまして、重篤なうつ状態、あるいは自殺企図、あるいは甲状腺障害といった問題が報告されていることから、その使用に際しては慎重な投与が喚起されております。また、使用上の注意におきましても、標準的な投与期間は六カ月以内とされているものがあるところでございます。 75 ◯商工労働部長(濱田隆道君)商工会等が商工業者に対して行います経営指導相談数を件数で言いますと、平成四年度では十二万六千四百件、平成五年度は十三万一千六百件となっておりまして、年々増加する傾向にございます。また、その内容について見ますと、金融系関係で全体の五割程度を占めておりますほか、税務、労働関係等多岐にわたっております。これらは県下全域ほぼ同様の内容でございまして、地域による特段の差異は見られません。それから、本県の企業倒産状況でございますが、民間調査機関の調査結果によりますと、平成四年度は百七十七件、五年度は百五十七件、六年度は八月末現在で五十六件となっております。県といたしましては、景気動向等に十分注意しながら、今後とも倒産防止に関する相談や経営指導、金融支援等を適切に講じていきたいと考えております。  県の商工関係の融資制度についてでございますが、主な制度資金については平成六年度の八月末現在の新旧実績によりますと、小口資金が六百七十五件で二十六億八千万円、季節資金が三十六件で一億四千万円、商工業設備資金が百五十七件で二十億七千万円、長期運転資金が百二十一件で十五億円などとなっておりまして、融資額は季節資金を除いて対前年度同期比で若干減少いたしております。一方、総融資残高で見ますと、平成四年度で三百一億円、五年度で三百七十二億円、六年度は八月末現在で三百八十億円となっておりまして、制度融資は本県の中小企業の振興発展を図る上で有効に活用されているものと認識いたしております。  中小企業の発展にとって、若者を中心とした人材の確保は極めて重要な問題であると考えられますが、最近におきます若者の意識はゆとりと豊かさを求め、労働福祉の充実した企業を選択する傾向にございます。県においては、若者の地元企業定着を図るため、県内職場見学やふるさと定住雇用促進フォーラムの開催をいたしますとともに、中小企業労働力確保法に基づきまして、事業協同組合等が人材確保のために策定いたします労働時間の短縮、職場環境の改善、福利厚生の充実等にかかわります改善計画の推進に対しまして、適切に助成指導を行っております。また、中小企業が単独では対応困難な福利厚生制度の充実を促進するために、多くの中小企業の労使が会費を拠出し合って共済給付事業でございますとか、スポーツ、レクリエーション事業等を行います中小企業勤労者福祉サービスセンターの設立、促進にも指導監督を通じて努力をいたしております。今後とも中小企業の人材確保のための施策の推進に努めてまいりたいと考えております。  平成四年の総務庁の就業構造基本調査によりますと、本県のパートタイム労働者数は七万一千人でございまして、うち六万八千人は女性でございます。また、平成五年の労働省の毎月勤労統計調査によりますと、本県パートタイム労働者の一日の総実労働時間は五・四六時間、一カ月の出勤日数は十八・八日、平均時給は八百七円となっております。また、パートタイム労働者を雇用するに当たっての労働条件を書面で明示している事業者は五七・四%に過ぎないため、雇い入れ後におきまして労働条件をめぐって問題が発生する事例がございます。県といたしましては、このような実態を踏まえまして、パートタイム労働者の適切な労働条件の確保や雇用管理の改善を図るため、県内各地区でパートタイム労働連絡会議や各種労働大学校を開催するほか、パートタイマーハンドブックの作成配布、テレビ、広報誌等によりますパートタイム労働法の普及啓発に努めております。 76 ◯松村武久君 恐縮ですが、岡元県民福祉部長に、県単独で公費助成をしている県が十一県、東京都と十一県の県が助成をしておりますが、その内訳について御存じでしたらお示しください。 77 ◯県民福祉部長(岡元杉夫君)私たちがこの九月二十二日現在で調べましたところでは、全国でそれぞれの県単の対象とすると、その対象とするのが十八県、対象とする方向で検討中が四県、対象としない都道府県が二十一県、それから対象としない方向で検討中が四県でございます。らなみに九州各県で申し上げますと、対象とする、対象とする方向で検討中が二県、対象としない、対象としない方向で検討中が六県となっております。    〔松村武久君登壇〕 78 ◯松村武久君 それぞれ御答弁ありがとうございました。  入院時食事療養費の負担問題についてですが、県単独事業として助成した場合、どの程度の事業費を必要とするものか、私なりに試算をしてみました。乳幼児入院の場合、平成六年度の半年分で約二百万円、平成七年度が約四百五十万円、平成八年度以降八百万円から九百万円であり、重度心身障害者入院の場合、すべてが高額負担療養を受けた場合、すなわちマキシマムでとっても県の持ち出しの原資は、年間二億三百万円程度となりますので、市町村との負担問題等対応もありましょうが、真に弱者救済の立場に立てば、県単独事業でも手の届かない事業費ではないと考えますので、さらなる御検討をいただきたいと思います。さらにまた、今御答弁いただきましたように、私が調べた段階では十一県でございましたけれども、東京都まで入れて十二カ所でしたが、かなりのところが検討もしくは県単独事業として対応しているやに聞きますので、この点はぜひここから強い御要望をいたしておきますので、財政事情もございますでしょうけれども、何らかの方法を御検討いただいてぬくもりの対応をしていただきたいと思います。  次に、C型肝炎についてでありますが、インターフェロンの効果については、先般朝日新聞に報ぜられておりますが、インターフェロンの効果について肝炎患者二十一人に週三回、一年間注射したところ十四人の肝臓が正常に戻った。うち十二人はウイルスが消えていた。また、急性肝炎患者十一人中七人が三カ月の治療で正常に戻り、残り四人中二人も一年後の再治療で正常化したという報道がなされております。もはやC型肝炎対策は国民病、県民病としてとらえ、極めて重要な医療行政の一環として積極的な対応が求められるところであろうと思います。すこやかな郷土、ゆとりの文化圏域づくりを柱に県政の推進を図られる知事も保健環境部長も、ぜひ言行一致していただくようここに強く警鈴を鳴らしておきたいと思います。  商工労働行政について、制度資金等の利用状況が国との関係もございまして、十分でない面もあるかと思いますけれども、やはり利用率が低い場合は、どこに問題があるのか、ニーズはどういうことなのかというのを真剣に、きめ細かに調査して対応していただきたい。もちろん、市中銀行の金利が安い状況でもありますし、また書類の面倒さとかいろいろあるようでございますから、行政改革そういう面でも規制の緩和の面もございますから、なるべく安易に借りられるような幾多の重複した資料とか、そういうのは合理化していただいて、皆さんが利用しやすいような方向を強く御要望しておきます。  中小企業が基幹産業となっております本県にとっては、研修施設や保健体育施設の拡充と呼応して、勤労者福祉サービスセンターの拡充が重要でございます。今後の積極的な対応を重ねて御要望いたしておきます。  最後に、パート労働者については、県内の女子雇用者のうち約三分の一の六万八千人がパート労働者で占めておりますことから、パート労働者の我が県における中小企業への貢献というものはかなりのものがあると考えます。そういった点からパート労働者への思いやりのある施策を強く御要望いたし、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 79 ◯議長(鶴田辰巳君)これで、本日の日程は終了いたしました。       ─────────────    △ 日程報告 80 ◯議長(鶴田辰巳君)明日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、一般質問及び請願、陳情の委員会付託であります。       ─────────────    △ 散  会 81 ◯議長(鶴田辰巳君)本日は、これで散会いたします。         午後七時十三分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...